株式会社OPTEMOが運営しているインサイドセールス研究会というコミュニティでは毎月オフラインイベントを開催しております。9月に開催されたイベントの内容について、より多くの皆様に知っていただく機会となることを願い、イベントレポートを作成しました。
今回のレポートは、2024年9月12日(木)に渋谷に位置する千葉道場コミュニティスペースで開催されましたインサイドセールス研究会の内容をまとめておりますので、ぜひご覧ください。
インサイドセールス研究会について
インサイドセールス研究会は、『会社を超えてインサイドセールス同士が繋がり「師と友」を作れる場』として株式会社OPTEMOが運営しているコミュニティです。
インサイドセールスという業務の性質上、社外での横の繋がりが少ないという声を受け、2023年3月からこのコミュニティの運営を始めました。毎月1回、特別なゲストを迎えて実践的なノウハウを提供しています。また、Facebookのグループで情報発信もしており、誰でも無料で参加できます。
https://optemo.co.jp/lp/is_ken
今回のテーマ
今回のイベントでは、株式会社RightTouch Business Development/Product Marketingの奥泉琳太郎 様(@zumi_12_15)をゲストにお迎えし、「インサイドセールスが担うべきこれからのターゲティング戦略」をテーマで講演いただきました。モデレーターはOPTEMO代表の小池桃太郎(@MomotaroKOIKE)が務めました。
イベントで使用する資料を奥泉様に作成いただいたのですが、とても力を入れていただき100ページくらいのボリュームになってしまったということで、当日のイベントでは40ページほどに纏めていただき講演をしていただきました。
それほど熱のこもった内容を講演で聞かせていただくことができました。
また奥泉様はnoteでも情報発信をされており、特に以下のnoteは多くのインサイドセールスの方にとって有益な内容となっておりますので、合わせてご覧ください!
0→1のインサイドセールスにおける在り方と拡大解釈(https://note.com/hajimemasite/n/nd319ec0e0475)
インサイドセールスの概念を改めるキッカケ
奥泉様はこれまでインサイドセールス組織の立ち上げや、エンタープライズセールス、PMM(プロダクトマーケティングマネージャー)として従事されています。
過去にはインサイドセールスとして1日100件以上の架電をすることもあり、当時インサイドセールスの業務を遂行していく中で以下のことを考えていたそうです。
- 活動が売上に対してダイレクトに繋がりにくい
- 活動における専門性が低い
- 顧客課題に触れる時間が短い
アポイント獲得と受注1件の重みが異なったり、BPOなど外部リソースなどのレベルが上がってきており、アポイント獲得の専門性が高いとは言い難い状況となっている。(あくまで他部門と相対的に比較した場合)
また顧客と通話できる時間としては長くて10分ほどなので課題を深堀りするのが難しい。
上記のようなことがあり、改めてインサイドセールスとしての考え方を変えないといけないと思ったそうです。
インサイドセールスの可能性を解き放つ
インサイドセールスはマーケとセールスの間にあるため、遊撃手的なポジションだと思っています。例えばマーケ側でリード獲得が足りなければインサイドセールスもリード獲得に重きを置き、受注率が伸び悩んでいるのであればセールス側に重きを置くなど組織の体制や状況で変えられると良いと思っている。
インサイドセールスはまだまだ新しい概念であり、組織ごとに定義を柔軟に変えるべきだと語られていました。
インサイドセールスは自社と市場を繋ぐ重要なハブ
インサイドセールス経験者だからこそできることとして、一番大きいことは、「自社と市場のハブになること」です。
自社の商品・価値を市場に届けて、届けた先の市場からフィードバックをするという、
”Delivery”と”Discovery”のサイクルを一番上手くできるのはインサイドセールスだと語られました。
ここで奥泉様から「LOVED」という書籍をご紹介いただきました。
この書籍にはアンバサダー、ストラテジスト、ストーリーテラー、エバンジェリストといったプロダクトマーケティングの概念などについて記されています。
このアンバサダーやストラテジストなどといった概念はインサイドセールスと近く、
顧客と市場のインサイトを繋ぐことや、どのようにGo-To-Marketしていくか、どのようにプロダクトを伝えていくかなど、アポイントだけではなく売上、プロダクトまで視野を広げていくことがインサイドセールスとしてとても重要です。またプレイヤーとしてではなく、事業、マーケット視点でものごとを捉えることも重要だと語られました。
インサイドセールスこそターゲティングをやるべき
インサイドセールスはマーケとセールスの間にあるため俯瞰して事業を捉えることができます。顧客接点が広く、かつn1の顧客にもしっかりと触れることができます。
なので俯瞰してものごとを捉え、マーケットの顧客理解ができるインサイドセールスこそターゲティングをやるべきと語られました。
前提として事業を進めていく中でターゲットは変わっていきます。
最初はABMの企業をターゲットとしていき、プロダクトが増えるなど事業が進むにつれて、SOM、TAMへとターゲットが広がっていきます。(RightTouch様では3か月に1回ターゲットを見直しているそうです)
ターゲットを決める際に、2つの手法があります。
一つ目が演繹的ターゲティング。マクロ的なデータや市場調査データなどを元にターゲティングする手法です。
二つ目が帰納的ターゲティング。実際に顧客と電話や商談をして、そこで得られた情報を元にターゲティングする手法です。
まずは演繹的に事業をスタートさせて、顧客を増やしていきながら顧客のデータを活かしてターゲティングしていくことが重要と語られました。
「わからない市場」を「わかる市場」へ
インサイドセールスは顧客との接点が多い分、多くの顧客の声を拾い、状況把握をすることができます。そして顧客の声を抽象化していきターゲットを探していくことができます。
ここでRightTouch様の事例をご紹介いただきました。
RightTouch様は当初は金融系や通信系の顧客をターゲットとしていたそうです。現在では製造系の顧客もどんどんと増えてきてるのですが、最初は全く着目していなかったそうです。
インサイドセールスの架電や商談などの生ログを確認したところ、市場の可能性を感じ製造系をターゲットとする意思決定をされたと語られました。
カバレッジを元に施策選定をする
ターゲット手法に加えて、ターゲットへの施策選定についてもお話しいただきました。
基本的に施策はターゲットに付随するため、業界ごとに受注、商談、リードのカバレッジのデータを精緻化することがとても重要だと語られました。(RightTouch様ではデイリーでデータを更新しているとのことです)
例えばリードが多くて商談数が少ない業界であればナーチャリング施策に注力する。リード数も商談数も少ない業界であればマーケティング、アウトバウンド施策に注力する。このように意思決定をするためにデータを活用することができます。
エンタープライズをターゲットとするRightTouch様では以下のように施策を展開しています。
電話やメール施策以外にも、より深い業務理解をするため、また顧客同士を引き合わせるために、オフラインナーチャリング施策として顧客の現場見学などもされているとのことでした。
交流会の様子
ご講演および質疑応答が終了し、第二部の交流会がスタートしました。インサイドセールス研究会の交流会では、毎回「新しい体験を提供する」というテーマのもと、参加者に特典としてちょっとした品物やサービスをプレゼントしています。
今回は今クラフトコーラで話題の「イヨシコーラ」をご用意いたしました。
スパイスの香りや柑橘の爽やかさを感じながら美味しく飲むことができるクラフトコーラです!
オフラインでもオンラインでも展開されておりますので、まだ飲んだことがない方はぜひご賞味ください!
・伊良コーラ(https://iyoshicola.com/)
以前プレゼントした際も大好評でした!
最後に
全てを載せきれないのが残念ですが、終了後にXやLinkedInに多くの感想をお寄せいただきました。中には、当日の内容を長文で書き起こしてくださる方もおり、非常に嬉しいです。OPTEMO一同、すべての感想に目を通しています。
また、今回素晴らしい会場を提供してくださった千葉道場様に心から感謝申し上げます。