
Webサイトを通じて資料請求や問い合わせなどのアクションにつなげたいと考えていても、「なぜかページを見ただけですぐ離脱されてしまう」と悩む担当者は少なくありません。
本記事では、離脱率が高くなる原因や今すぐできる改善策7選、さらに実践時のポイントまでを詳しく解説します。
離脱率が高いと何が問題?

Webサイトの運用において、離脱率は気づかれにくいけれど確実に損失を生む指標の一つです。訪問者がどのページで離脱しているのかを正しく把握し、その原因に対策を講じなければ、CV(コンバージョン)やサイト全体の評価にも悪影響が及びます。
ここではまず、離脱率とよく混同されがちな「直帰率」との違いを確認した上で、離脱率が高いことで起こりうる具体的な課題を整理します。
離脱率と直帰率の違いとは
離脱率と直帰率は似たような指標に思えますが、それぞれが示す意味は異なります。
- 直帰率:ユーザーが最初に訪れたページだけを見てサイトを離れた割合
- 離脱率:特定のページにアクセスしたユーザーのうち、そのページでサイトから離脱した割合
たとえば、A→B→Cと3ページ閲覧してCで離脱した場合、Cページの離脱率は上がりますが、直帰率には影響しません。
つまり、直帰率は入口ページでの離脱、離脱率はサイト内の各ページにおける最終地点を示す指標です。
どちらも重要ですが、「なぜ次のアクションにつながらなかったのか」を探るには、離脱率のチェックが不可欠です。
離脱率が高くなるとどんな課題が起きるのか
離脱率が高いまま放置してしまうと、次のような課題が生じる可能性があります。
1. CV(コンバージョン)率の低下
離脱率が高い=ユーザーが次の行動に移る前に離れてしまっている状態です。
せっかくページに訪問してもらっても、資料請求・問い合わせ・購入といったゴールに至らないため、CVR(コンバージョン率)は伸び悩みます。
特に、サービス詳細ページや料金ページ、フォーム入力画面といったCV直前のページで離脱が多い場合は、早急な改善が必要です。
さらに、広告経由の訪問者が離脱している場合は、クリックごとにコストが発生しているため、CVに至らないアクセスが積み重なることで、広告費の高騰を招く原因にもなりかねません。
つまり、離脱率の高さは「売上の機会損失」だけでなく、「広告投資の効率低下」にもつながる重要な指標なのです。
2. LTV(顧客生涯価値)の向上が見込めなくなる
ユーザーとの接点が持てなければ、当然ながら顧客化・リピーター化につながりません。接触回数の少ないサイトでは、「なんとなく良さそうだけど記憶に残らない」とスルーされてしまい、長期的なLTV向上が望みにくくなります。
継続的に価値を届けられるユーザーを増やすには、最初の接点での離脱を防ぐことが前提条件になります。
3. 広告費やコンテンツ制作費の無駄につながる
Web広告やSEO施策、コンテンツマーケティングにいくら力を入れても、ユーザーがサイト内をしっかり見てくれなければ、集客コストばかりがかかり、成果に結びつきません。
例えば「クリック単価200円」で集めた訪問者が、30秒以内に離脱してしまうと、それはそのまま損失になります。
CVに至らない「一見客」を増やさないためにも、サイト内部の設計改善が不可欠です。
4. サイト全体の評価が下がる可能性がある
離脱率が高い状態が続くと、ユーザーからの評価だけでなく、検索エンジンからの評価にも影響する可能性があります。
Googleをはじめとした検索エンジンは、ユーザー体験(UX)を重視しており、「アクセスされたページがすぐ閉じられる」「ページ遷移が起きない」などの行動は、ユーザーの満足度が低いページと見なされる可能性があります。
その結果、SEO順位が下がったり、オーガニック流入が減るといった悪影響を招くおそれがあるのです。
特に、サービス紹介ページやコラム記事など検索流入を狙ったコンテンツで離脱率が高い場合は、検索評価にマイナスがついていないかもチェックしておくべきポイントです。
Webサイトの離脱率を下げるための7つの改善方法

Webサイトの離脱率が高いと、せっかくの集客がCV(コンバージョン)につながらず、機会損失が増えるばかりです。
ここでは、離脱を防ぎ、ユーザーを次のアクションへ導くための具体的な改善策を7つご紹介します。
1. ページの表示速度を高速化する
ユーザーは想像以上に待ってくれません。ページの読み込みに3秒以上かかると、約半数が離脱するという調査もあるほど、表示速度は離脱率と密接に関係しています。
改善策としては以下が代表的です。
- 画像サイズの圧縮(WebP形式など)
- 不要なJavaScriptやCSSの削除・軽量化
- CDN(コンテンツ配信ネットワーク)の活用
- サーバー環境の見直し
特にモバイルユーザーが多い場合は、通信速度の影響を考慮した表示最適化が重要です。
2. 導線とナビゲーションを見直す
「このページ、次に何をすればいいの?」と感じさせてしまうサイトは、ユーザーが迷いやすく、離脱されやすい傾向があります。
改善のポイント
- グローバルナビゲーションのわかりやすさ
- パンくずリストやCTA(Call to Action)ボタンの配置
- 関連コンテンツや次のアクションへのリンク誘導
たとえば、サービス詳細ページの最後に「料金表」や「無料相談への誘導」がなければ、ユーザーは一旦離脱してしまう可能性が高くなります。サイト内で自然に回遊できる動線設計を意識することが離脱防止のカギです。
3. コンテンツの質と訴求力を高める
「読者の求める情報がない」「結局、何を伝えたいのか不明瞭」といったコンテンツは、読了される前に離脱される可能性が高いです。
改善の方向性としては、
- ファーストビューで結論を提示する(何が得られるのかがすぐ伝わる)
- ユーザーの課題や悩みに寄り添った情報設計
- 読みやすい構成と適切な装飾(見出し・箇条書き・図解)
特にサービス紹介ページやコラム記事などでは、ユーザーの検索意図に合った内容かどうかを見直すことが大切です。
4. モバイル対応を強化する(スマートフォンでの離脱防止)
モバイル経由のアクセスは年々増加していますが、PC版を前提に設計されたサイトでは、スマートフォンでの閲覧時に使いづらさを感じて離脱されてしまうケースが少なくありません。
特にBtoBサイトでは、依然としてPCからのアクセスが中心とはいえ、スマートフォンで情報収集をするユーザー層も確実に増えています。そのため、「モバイルファースト」に特化する必要はありませんが、モバイルフレンドリーな視点を取り入れた設計は、今後ますます重要になっていくといえるでしょう。
スマートフォン対応で意識すべきポイント
- タップしやすいボタンサイズ
- 読みやすいフォントと行間
- ページ遷移やスクロールがスムーズにできる設計
- フォームの入力しやすさ(スクロール負荷・入力項目の最適化)
こうした工夫を取り入れることで、スマートフォンユーザーのストレスを軽減し、離脱のリスクを抑えることができます。
BtoBであっても、「ちょっとした確認」や「出先での情報チェック」はスマホから行われる時代です。どのデバイスでも快適に閲覧・行動できるサイト設計が、ユーザー体験の向上につながります。
5. フォームの入力ストレスを減らす(EFO施策)
フォームはユーザーが最後に行う重要なアクションです。ここでの離脱を防ぐには、入力のしやすさを徹底的に見直す必要があります。
EFO(エントリーフォーム最適化)の代表的な施策
- 入力項目の削減(必要最低限に)
- リアルタイムでのエラーメッセージ表示
- 入力補助(例:郵便番号で住所自動入力)
- スマートフォンでの入力負担を軽減する工夫
「入力しづらい」「入力後にエラーで戻される」といったストレスがあるだけで、本来CVするはずだったユーザーが離脱してしまうリスクがあります。
6. チャットなど今すぐ聞ける環境を整える
ユーザーがページを見ている時、「ちょっと聞いてみたい」と思っても、問い合わせフォームやFAQページに飛ぶのは面倒だと感じることがあります。このタイミングですぐ聞ける手段があれば、離脱を防ぎ、行動を後押しできる可能性があります。
導入されている代表的な施策
- 有人チャットツールの設置(リアルタイム対応型)
- よくある質問に答えるチャットボットの併用
- チャットUIから通話への切り替え機能
特にBtoBサイトでは、「ちょっと確認したい」という小さな疑問をすぐに解消できる環境が商談化のチャンスにつながるケースも少なくありません。
7. 離脱直前のユーザーにリアルタイムでアプローチする
Webサイトを訪れているユーザーの中には、「興味はあるけれど、次に進むか迷っている」状態でページにとどまっている人も少なくありません。
たとえば、あるページに一定時間以上滞在している、あるいはサービス詳細ページを何度も行き来しているといった行動は、関心はあるものの行動に移せず、離脱する可能性があるサインといえます。
こうしたタイミングをシステムで検知し、リアルタイムで営業担当に通知できれば、離脱する前に声をかけることが可能になります。
たとえば、
- 特定ページへの長時間滞在を検知し、チャットウィンドウを自動で表示
- 営業担当に「今〇〇ページを◯分以上見ているユーザーがいます」とアラートを送る
- 閲覧ページに応じて、個別の案内や提案をチャットで手動送信する
このような対応ができるWeb接客ツール(例:OPTEMOなど)を活用することで、温度感の高いタイミングでアプローチでき、CV(コンバージョン)につながる可能性が高まります。
ユーザーの動きをリアルタイムで把握し、「興味はあるけど一歩踏み出せない」という状態のまま離脱させないことが、リード獲得の最大化につながります。
離脱率改善に取り組む際のポイント

離脱率の改善には、ただ施策を足すだけでなく、「どのようなユーザーが、どこで、なぜ離脱しているのか」を正確に把握し、それに合わせて的確な対策を組み合わせて実施することが大切です。
ここでは、実際に取り組む際に押さえておきたい3つの視点を紹介します。
ユーザーの「気持ち」と「動き」を両方見る
多くの企業が離脱率を把握するためにGoogleアナリティクス(GA4)などの定量的なデータを活用していますが、それだけでは「なぜ離脱したのか」までは分かりません。
例えば、ある特定のページの離脱率が高い場合、その原因が「必要な情報が見つからなかった」のか、「コンテンツ内容に不満を感じた」のか、あるいは「次の行動への導線が不明瞭だった」のかは、ユーザーの行動背景を深く分析しなければ正確に判断することはできません。
そのために有効なのが、以下のような定性データの活用です。
- ヒートマップツール:どこまでスクロールしたか、どの部分をクリックしたかを視覚的に把握できる
- セッション録画:実際のユーザーの動きを録画し、操作のクセやつまずきポイントを確認できる
このように、「ユーザーがどんな気持ちで、どんな動きをしているのか」を定量データと合わせて見ることで、より本質的な改善ポイントが見えてきます。
単体施策ではなく「組み合わせ」で対策する
離脱率改善のために何か一つの施策を行っても、それだけで大きな効果が出るとは限りません。ユーザーの行動や心理は複雑で、いくつもの要因が重なって離脱が起きているケースが多いため、複数の対策を掛け合わせることが効果的です。
たとえば、
- EFO(フォーム最適化)×チャットツール
→フォーム改善で入力ハードルを下げ、チャットで不明点に即時対応する - 表示速度の改善×UI設計の見直し
→素早く表示され、かつスムーズに次のページへ誘導できる設計に - コンテンツ強化×回遊性の向上
→質の高い情報を提供しながら、他のページにも興味を持たせて離脱を防ぐ
このように、マーケティング施策には「これをやっていればOK」という唯一の正解はなく、ユーザーの状況や行動に応じて、複数の施策を組み合わせて最適化していく姿勢が求められます。
一つの施策に依存するのではなく、全体を俯瞰しながら柔軟に改善を重ねていくことが、離脱率の改善につながる近道といえるでしょう。
フォーム改善だけでは対応しきれない迷いへの対策も
EFO(エントリーフォーム最適化)を行えば、入力途中の離脱は減らせるかもしれません。
しかし実際には、「フォームに入力すらせず離脱しているユーザー」が多く存在します。
その理由としては、
- 「今申し込むほどじゃないけど、少し興味はある」
- 「質問したいことがあるけど、問い合わせフォームを送るのは大げさに感じる」
- 「詳しく話を聞きたいが、電話するのも手間」
といった、中程度の関心を持つユーザーが、迷った結果、サイトを離れてしまっているケースです。
こうした層に対しては、次のような導線が有効です。
- 有人チャットでの気軽な相談窓口の設置
- リアルタイムでの「今、何かお困りですか?」といった声かけ
- 個人情報なしでワンクリック相談できるWeb接客ツールの導入
「まだCVする段階ではないけれど、見込み客になりうるユーザー」を離脱させないためには、フォーム以前の接点をどう用意するかがカギになります。
注目される「リアルタイム接客ツール」という選択肢

離脱率を下げ、コンバージョンにつなげるための施策として、近年注目を集めているのが「リアルタイム接客ツール」の導入です。単なるチャットツールやFAQではなく、訪問者の行動に合わせて今困っている人に、必要なサポートを即時に提供できるのが最大の特徴です。
ここでは、その具体的なメリットや、チャットボットとの違い、最新のツール活用のかたちについて解説します。
「今話したい」に対応できる環境がCVに直結
Webサイトを訪れたユーザーの中には、資料請求や問い合わせをする前に「少し話を聞いてみたい」「不安な点を確認したい」と思っている人が一定数存在します。
しかしその多くは、問い合わせフォームに移動したり、メールを送ったりすることに手間を感じて離脱してしまうのが現実です。
こうした温度感の高いユーザーに対して、リアルタイムでチャットや音声通話を通じて話しかけられる環境があれば、不安をその場で解消し、商談やCVにつなげるチャンスを逃しません。
リアルタイム接客の強みは、「あとで対応」ではなく、今この瞬間の機会を活かせること。BtoBサイトにおいても、初期接点でのスピード感ある対応が、後の成約率や商談化率に大きく影響することが分かっています。
チャットボットとの違いは人が対応すること
よく比較されるのが、チャットボットとの違いです。チャットボットは、よくある質問(FAQ)に対する自動応答や、簡易的な情報提供には適していますが、次のような対応の限界があります。
- 柔軟な返答やイレギュラー対応ができない
- 会話が成立せず、ユーザーの疑問が解消されない
- 結局「問い合わせフォームへご案内」となることも多い
一方、リアルタイム接客ツールでは、実際の担当者(人)が対応するため、ユーザーの状況に応じた柔軟な対応が可能です。たとえば、「こんな使い方をしたいのだけれど、それでも対応できますか?」といった具体的な相談にも、その場で説明や提案ができます。
このように、単なるやり取りではなく会話として対応できることで、信頼感や安心感を生み出しやすくなるのが大きなポイントです。
事前準備不要・画面共有しながらサポートできるツールも
リアルタイム接客ツールの中には、さらに一歩進んだ体験を提供できるタイプのものも登場しています。
たとえば、株式会社OPTEMOが提供する「OPTEMO」は、ユーザーがサイトを閲覧している状態を企業側がリアルタイムで確認できるだけでなく、
- 専用のURLやツール不要で、その場で通話やチャットを開始できる
- 個人情報の入力なしで、ワンクリックで接客・商談が始められる
- 画面のスクロール位置や見ているページも共有できる
といった、すぐ対応したい側とすぐ相談したい側の両者のストレスを軽減する設計がされています。
特にBtoBの場合、訪問者の数が限られているからこそ、関心の高い瞬間を逃さずにアプローチできるかどうかが、成果を大きく左右します。「あとで問い合わせを待つ」のではなく、「訪問中に話しかける」スタイルへのシフトは、今後ますます重要性を増すでしょう。
まとめ

Webサイトの離脱率を下げるには、表示速度やUI設計、フォーム最適化(EFO)といった技術的な改善だけでなく、ユーザーが感じているちょっとした不安や誰かに聞きたい疑問をリアルタイムで拾える導線設計が重要です。
特にBtoBサイトにおいては、問い合わせ前の温度感の高いユーザーを逃さないことが、商談機会の創出やCV率の向上に直結します。
そのためには、従来のフォームやチャットボットに加えて、「今このタイミング」で声をかけられる手段を用意しておくことが欠かせません。
たとえば、有人対応のチャットツール「OPTEMO」を導入すれば、匿名のWebサイト訪問者にもその場でアプローチでき、商談獲得単価の削減や営業活動の効率化にもつながります。
以下の資料では、OPTEMOの具体的な機能や活用事例をご紹介しています。「Webサイトからの離脱を減らし、確度の高いリードを取りこぼさない仕組みづくり」にご関心のある方は、ぜひご覧ください。