最終更新日: 2025.12.10

リード獲得単価とは?相場と下げるための具体的な施策を解説

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リード獲得にかかるコスト(CPL/Cost Per Lead)は、BtoBマーケティングにおいて改善の優先度が高い指標のひとつです。

リード獲得単価が高騰している背景には、広告費の上昇、競合増加、顧客行動の複雑化などがあり、従来の改善施策だけでは成果が頭打ちになるケースも増えてきました。

本記事では、リード獲得単価の基本、相場、そして単価を下げるための施策を解説します。

リード獲得単価とは

リード獲得単価は、「1件の見込み顧客を獲得するのに、いくらかかったか」を示す指標です。ここでいう「リード」とは、資料請求・お問い合わせ・無料トライアル登録・セミナー申込など、企業に何らかの個人情報を送っている、見込み顧客のことです。

同じ広告費・同じ施策でも、10件のリードしか取れない場合と100件のリードが取れる場合では、1件あたりのコストは大きく変わります。

この「1件あたりのコスト」がリード獲得単価で、マーケティング施策の効率の良さを判断する物差しとして使われます。

リード獲得単価(CPL)の基本的な考え方

英語では「Cost Per Lead」と呼ばれ、頭文字を取ってCPLと略されます。概念としては、リード獲得に使ったコストを、獲得できた件数で割って、1件あたりの費用を可視化するものです。

たとえば、ある月に以下のようなケースを考えます。

  • Web広告費:30万円
  • 代理店費用:10万円 
  • 合計コスト:40万円
  • その月に獲得できたリード数:80件

この場合のCPLは、

40万円 ÷ 80件 = 1件あたり5,000円

となります。

CPLを見るときに大事なのは、「単価そのものの高さ・低さ」だけでなく、

  • 過去と比べて上がっているか、下がっているか
  • 他チャネル(リスティング広告/SNS広告/オウンドメディアなど)と比べてどうか
  • その単価で取れているリードの“質”はどうか

といった文脈で捉えることです。

算出方法と計算式

リード獲得単価の計算式は、非常にシンプルです。

リード獲得単価(CPL)=リード獲得にかかった総費用 ÷ 獲得リード数

ここでポイントになるのが、「総費用」に何を含めるかを社内で統一しておくことです。広告費だけを見るのか、制作費・ツール利用料を含めるのかで、比較のしやすさが変わるためです。

総費用に含める可能性があるものの例

  • 広告出稿費(リスティング、ディスプレイ、SNS広告など)
  • LP制作・バナー制作などのクリエイティブ費用
  • 外部パートナーへの支払い(代理店費用など)
  • ツール利用料 など

例:広告費のみを対象にする場合

広告費:50万円
リード数:100件

→50万円 ÷ 100件=CPL 5,000円

CPLは「広告効率」を判断するために使われることが多いため、比較するときはどこまでをコストに含めるかを社内で統一しておくことが重要です。

CPA(顧客獲得単価)との違い

よく混同されがちな指標にCPA(Cost Per Acquisition/顧客獲得単価)があります。CPLとの違いは、対象とするゴールの違いです。

  • CPL(リード獲得単価)
    • ゴール:資料請求・問い合わせ・会員登録など
    • 「見込み顧客1件あたりのコスト」を表す
  • CPA(顧客獲得単価)
    • ゴール:受注・契約・課金開始など
    • 「実際の顧客(売上につながる1件)あたりのコスト」を表す

例:ある広告施策で、

  • リード:100件
  • そのうち受注:10件
  • 広告を含む総コスト:50万円

とします。このとき、

  • CPL=50万円 ÷ 100件 = 5,000円/件
  • CPA=50万円 ÷ 10件 = 5万円/件

となります。CPLが低くても、その後の商談化率や成約率が低ければ、最終的なCPAは高くなってしまいます。逆に、CPLが多少高くても、質の良いリードばかりで成約率が高ければ、CPAを抑えられる可能性があります。

そのため、

  • CPL:フロント(リード獲得)の効率を見る指標
  • CPA:ビジネスとして本当にペイしているかを見る指標

という位置づけで両方を合わせて見ることが、BtoBマーケティングでは欠かせません。

リード獲得単価の相場と目安

リード獲得単価は「いくらなら適正なのか?」という判断が難しく、まずは一般的な相場を知ることが改善の出発点になります。

ここでは、業界ごとにどの程度のCPLが発生しやすいのかを整理します。

業界別リード獲得単価の平均値

リード獲得単価は業種・商材の価格帯によって大きく変動します。一般的には次のような水準が目安になります。

  • BtoB SaaS系(営業支援・マーケティング支援ツールなど):5,000〜20,000円

例:SaaSの資料請求、無料トライアル登録、デモ申込 など

  • 人材・HR領域(転職サービス・採用管理ツールなど):10,000〜30,000円

例:スカウトサービス登録、HR系SaaSの資料請求、採用相談の問い合わせなど

  • 不動産・金融(投資用不動産・ローンシミュレーションなど):15,000〜40,000円

例:不動産投資セミナーの申込、住宅ローン相談、保険見直しの問い合わせなど

  • BtoC(EC・美容・教育など):数百〜数千円

例:商品サンプル請求、メルマガ登録、体験レッスン申込など

特にBtoB領域では、

・単価の高い商材が多い

・比較検討期間が長い

・意思決定者が複数いる

といった理由から、リード単価が高くなる傾向があります。

BtoB・BtoCでの単価の違い

BtoCは商品の価格帯が低く、検討期間も短いため、リード単価は比較的抑えられます。

一方で、BtoBは商材が高額で社内検討も必要となるため、リード1件を獲得するためにより多くのコストがかかります。

その結果、多くの企業が「CPLをどう下げるか」という課題を抱えています。

単価が高くなる主な原因

リード獲得単価が上がる理由として、次のような要因が挙げられます。

  • 広告費の高騰(特にリスティング広告)
  • 競合サービスの増加
  • 検討期間の長期化
  • フォーム離脱率の高さ
  • 流入の質の低下(=CV率や商談化率の低下につながる)

特に見落とされやすいのが「フォーム離脱」です。広告やLPの改善だけでは、入力直前で離脱してしまうユーザーを引き止められず、結果的にCPLは下がりません。フォーム到達後の体験設計まで含めて最適化することが、安定した単価改善につながります。

リード獲得単価を下げるための代表的な施策

リード獲得単価を改善するには、広告費を削るよりも「無駄な接点を減らし、必要な人にだけ確実に届く状態」をつくることが重要です。

ここでは、効果が出やすい主要施策を順に解説します。

ターゲティング精度の向上

CPLを下げる最も基本的な方法は、「届けるべき相手にだけアプローチすること」です。

ユーザー層がぼやけたまま広告やコンテンツを配信してしまうと、本来狙いたい層とは違う人が流入し、結果としてリード単価が高くなりがちです。

ペルソナの再設定や、CVにつながりやすい属性を分析し直すことで、無駄な配信を減らせます。

コンテンツ・広告の改善

SEO記事、LP、広告クリエイティブなど、入口の質を高めることも欠かせません。

  • 検索意図とズレのないコンテンツづくり
  • 素早く価値が伝わるLP設計
  • 広告の訴求軸の見直し

これらを継続的に改善することで、質の高い流入が増え、リード単価の安定につながります。

LP最適化(LPO)の見直し

リード獲得単価を下げるためには、ランディングページ自体の改善も欠かせません。

ユーザーが求めている情報と、LPで提示している内容にズレがある場合、いくら広告で流入が増えてもCVRが上がらず、結果的にCPLが高くなってしまいます。

LPOでは、以下のポイントを中心に改善を行います。

  • ファーストビューで価値が伝わっているか
  • 競合との違いやメリットが短時間で理解できるか
  • CTA(ボタン)の配置や文言は適切か
  • 不要な離脱要因(情報量過多・導線の複雑さ)がないか

広告・SEO・SNSなどの入口改善とあわせてLPを最適化することで、流入の質を維持したままCVRを高め、結果としてCPLの安定と改善につながります。

EFOやフォーム最適化施策の見直し

EFOは、フォームの入力しやすさを改善し、離脱を防ぐための施策です。

  • 入力項目の削減
  • 自動補完の導入
  • スマホ最適化

といったUI改善は、一定の効果を持っています。ただし、EFOで解決できるのはフォームの使いにくさの部分であり、ユーザーの心理的な迷いまでは取り除けません。

フォーム入力直前の離脱を防ぐリアルタイム接客

ここ数年注目されているのが、「入力直前の体験」を改善するリアルタイム接客です。

フォーム到達前のユーザーは、

  • サービスが自社に合っているか
  • 料金感が妥当か
  • 情報提供が不安

といった心理的ハードルを抱えており、このちょっとした不安が離脱につながります。

リアルタイム接客ツールは、長く滞在しているユーザーを把握して声をかけることができ、疑問をその場で解消できます。

UI改善(EFO)が使いやすさを整える施策だとすれば、リアルタイム接客は“迷いを晴らす体験”をつくる施策です。

この心理的ハードルへの介入が、CVR向上とリード単価改善に直結します。

Web接客ツールで顧客体験を変えることが、リード獲得単価を下げる理由

リード獲得単価を下げるうえで重要なのは、アクセス数や広告費だけを見るのではなく、ユーザーがサイト上でどんな体験をしているかに目を向けることです。

その体験を大きく変えられる手段として注目されているのが、リアルタイム接客ツールです。

訪問者の行動をリアルタイムで把握し、最適なタイミングで声をかけられる

リアルタイム接客ツールの強みは、サイト訪問者の行動を今この瞬間に把握できる点です。たとえば、

  • 「料金ページを何度も見ている」
  • 「1ページに長く滞在している」

といった行動は、ユーザーが何らかの不安や疑問を抱えているサインです。

このタイミングで声をかけられると、迷いの原因をその場で解消でき、離脱を防ぎやすくなります。結果的に CVR が改善し、リード獲得単価の抑制につながります。

不安の解消がその場でできるため、体験の質が向上する

問い合わせ前のユーザーは、UIだけでは取りきれない心理的な迷いを抱えています。

  • 「このサービスは自社に合っているのか?」
  • 「費用対効果はどうか?」
  • 「相談したら営業されすぎないか?」

こうした心のブレーキは、フォーム入力の大きな障壁になります。リアルタイムで会話できる環境があると、その場で疑問が解消され、安心して次のステップに進めるようになります。

体験の質が上がる → 離脱率が下がる → リード単価が下がるという流れが成立するのです。

事前準備が不要なツールなら、対応スピードが体験価値を高める

Web接客ツールのなかには、

  • 予約なしで対応できる
  • URL共有やツールのインストールが不要
  • ワンクリックで相談が始められる

といった、すぐに会話が始められるタイプもあります。

ユーザーが「今、聞きたい」と思った瞬間に相談できると、

  • 問い合わせまでの心理的距離が縮まる
  • 不明点を抱えたまま離脱するユーザーが減る
  • 結果的にCV(リード獲得)が増える

という好循環が生まれます。スピード感のある対応は、顧客体験を大きく押し上げる要素です。

継続的なデータ蓄積が、マーケ・営業の改善にもつながる

Web接客では、どのタイミングでどんな質問をされたかといったデータが蓄積されていきます。

これにより、

  • どのページで迷いやすいのか
  • ユーザーはどんな情報を求めているのか
  • 相談が多いテーマは何か

といった、改善に役立つインサイトを得られます。この情報をLP改善や広告訴求の見直しに活かすことで、入口の質も高まり、リード単価を長期的に引き下げる効果があります。

従来施策ではなぜ成果が頭打ちになるのか

リード獲得単価を下げるために、広告やLP、フォームなどを改善してきた企業は多いはずです。

しかし、それらを積み重ねても伸び悩むケースが増えており、その背景には「ユーザー体験そのものが変わっていない」という共通点があります。

UI改善だけでは、ユーザーの気持ちの揺れに対応できない

EFOやフォーム改善は、「入力しやすさ」「見やすさ」といった操作性の課題を解消する施策です。ただし、フォーム離脱の原因は UI だけではありません。

  • 「本当に問い合わせて大丈夫だろうか」
  • 「まずは少し話を聞いてから判断したい」
  • 「情報を入力するのが不安」

こうした心理的な迷いが、CV直前の離脱につながっているケースは少なくありません。

いくらフォームが使いやすくても、迷いや不安が残っていれば、ユーザーは入力せずにページを閉じてしまいます。

検討タイミングを逃すと、リード単価は自然と高くなる

ユーザーには「今なら動ける」という検討の波があります。しかし、そのタイミングは長くありません。

たとえば、以下のような状況です。

  • 情報収集中で関心が高まっている
  • 購入の是非を比較検討している
  • 社内で資料を求められている

この高い温度感の瞬間にアクションを促せると、CVに進みやすくなります。

逆にその瞬間を逃すと、競合の比較に流れてしまったり、検討が一旦保留になったりして、獲得効率は下がり、結果的にCPLが上がってしまいます。

UI改善や広告最適化だけでは、この検討タイミングをピンポイントで捉えることができません。

有人コミュニケーションが、体験価値の濃さを生み出す

チャットボットや自動応答の仕組みは、よくある質問への即時回答や、24時間対応といった点で有効です。一次対応の効率化や問い合わせ件数の削減にも役立ちます。

ただし、こうした自動応答や定型コンテンツだけでは、ユーザーごとの文脈や意図、細かなニュアンスまでは拾いきれないケースがあります。

一方で、有人対応が可能な環境では、

  • ユーザーの状況を聞いたうえで回答できる
  • 不安の背景や意図を読み取り、的確に解消できる
  • 「すぐに相談できた」体験が信頼につながる

といった、より濃いコミュニケーションが生まれます。

こうした体験価値の向上は、UI改善では到達できない領域であり、離脱率の改善にも直結します。

こうした体験価値の向上は、UI改善だけでは到達できない領域であり、離脱率の改善にも直結します。

結果的に、離脱が減る → CV が増える → CPL が下がるという流れをつくり出せるのが、有人コミュニケーションの強みです。

まとめ|リード獲得単価を下げる鍵は「顧客体験がCVRを押し上げる仕組み」にある

リード獲得単価は、投下したコストだけでなく「どれだけ多くのユーザーが問い合わせまで進めるか」によって大きく変わります。

つまり、CPLを改善するもっとも本質的なポイントは、ユーザーが次の一歩に進める状態をつくれるかどうかです。

広告改善やフォーム最適化は有効な施策ですが、それだけではユーザーの不安や疑問といった心理的ハードルには届きません。

実際に離脱が多いのは、フォーム入力そのものよりも「入力前」の段階であり、このタイミングで迷いを解消できる体験があるかどうかが、CVR向上とリード単価の改善に大きく影響します。

リアルタイムで状況に合わせたコミュニケーションを提供できる環境は、ユーザーの今知りたいことに寄り添う体験を生み、離脱率の低下につながります。

結果として同じコストでもリード数が増え、リード獲得単価が自然と下がっていく構造が生まれます。

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