
Webサイトに訪問者は来ているのに、なかなか問い合わせや資料請求につながらない…そんな課題を抱えるマーケティング・営業担当者は少なくありません。
コンバージョン率(CVR)を改善するには、ページの見た目や導線だけでなく、「どこで顧客を取りこぼしているか」という視点も欠かせません。
本記事では、CVR改善に取り組む上でまず確認すべき10のチェックポイントとともに、問い合わせ前のアプローチがなぜ重要なのかを解説します。
CVR改善とは?まず押さえておきたい基本知識

CVR改善に取り組むにあたっては、そもそも「CVRとは何か」「なぜ重要なのか」を正しく理解しておくことが大切です。まずは基本的な概念から確認しておきましょう。
CVR(コンバージョン率)とは
CVR(Conversion Rate/コンバージョン率)とは、Webサイトに訪問したユーザーのうち、どれだけの人が問い合わせや資料請求など、企業が定めた目標アクションを実行したかを示す指標です。Webマーケティングにおける成果を評価する上で、とても重要な数字です。
一般的には、以下の式で算出されます。
CVR = コンバージョン数 ÷ 訪問数 × 100(%)
例えば、1,000人が訪問し、50件の問い合わせがあった場合、CVRは5%になります。
BtoB領域においては、コンバージョンに該当する行動は以下のようなものが代表的です。
- 資料請求
- お問い合わせフォームの送信
- オンライン商談・デモの申し込み
- 無料相談の申し込み
- セミナー・ウェビナーの登録 など
CVRは、「どれだけ効率よく見込み顧客を獲得できているか」を数値化するものであり、マーケティングや営業活動のパフォーマンスを測る重要なKPI(重要業績評価指標)といえます。
CVRが改善しない理由とは
CVRを改善しようと、多くの企業が以下のような定番施策に取り組んでいます。
- LP(ランディングページ)の構成を見直す
- CTA(行動喚起ボタン)の文言や配置を工夫する
- 問い合わせフォームの入力項目を減らす
これらは確かに基本であり、一定の成果を出す施策です。しかし、それでも思ったほど数値が改善しない、途中で伸びが鈍化するというケースは少なくありません。
その原因の多くは、「ユーザーがなぜ離脱したのか」という本質的な要因に踏み込めていないことにあります。
例えば、次のような見込み顧客がいたとします。
- サービス内容に興味はあるが、すぐに問い合わせるほどではない
- 詳しく知りたいが、資料請求をするには少しハードルを感じる
- 営業されるのが嫌なので、問い合わせは避けたい
こうしたユーザーは、サイトに数分間滞在した上で、何もアクションを起こさずに離脱していきます。実際、多くの企業では、90%以上の訪問者がフォームに到達する前に離脱しているというデータもあります。
つまり、CVRが改善しない理由の一つは、「気になってはいるが、まだ行動に移さない層」に有効なアプローチができていないことにあるのです。
CVR改善の本質は、「関心はあるが一歩踏み出せていないユーザー」の背中をどう押すかにかかっています。
CVR改善のためのチェックリスト10項目

CVR(コンバージョン率)を改善するには、ページのデザインやコンテンツだけでなく、ユーザーの心理や行動を踏まえた視点での見直しが欠かせません。以下の10項目は、CVR改善に取り組む上での基本かつ大切なチェックポイントです。
一つひとつ丁寧に確認していくことで、成果に直結する改善点が見えてくるはずです。
1. ページの表示速度は3秒以内か?
ページの読み込みが遅いだけで、ユーザーはすぐに離脱してしまいます。Googleの調査によると、ページの表示が1秒遅れるごとにCVRが大幅に下がるというデータもあります。
PageSpeed InsightsやLighthouseなどの無料ツールを活用し、画像の最適化やキャッシュの活用などで改善を図りましょう。
2. ファーストビューで訴求が伝わっているか?
ページを開いた瞬間に表示されるファーストビューは、ユーザーの第一印象を決定づける非常に大切なエリアです。ここで興味を引けなければ、数秒で離脱されてしまう可能性もあります。
「自分に関係のある情報がありそう」「もう少し読み進めてみよう」と思わせられるかどうかが、その後の滞在時間やスクロール率に直結します。
見出し・訴求文・ビジュアル・CTAの位置を意識し、ユーザーが一目で価値を感じられる構成になっているかを確認しましょう。
3. CTA(ボタン)の設置場所・文言は適切か?
CTAが視認しづらい場所にあったり、文言が曖昧なままだと、せっかく関心を持ったユーザーもアクションに至りません。
「無料資料請求」や「今すぐ問い合わせ」などの文言だけでなく、「○○に悩む方へ」など、ターゲットの課題に寄り添った訴求があるかどうかも見直してみてください。
4. フォームの入力項目は必要最小限か?
入力が面倒だと感じた瞬間に、ユーザーはフォームを閉じてしまいます。特にBtoBでは、名前や会社名だけでなく電話番号や部署名など、入力の手間が多くなりがちです。
必要性の薄い項目は思い切って削り、後から取得できる情報は後回しにする柔軟さがCVR向上につながります。
5. モバイルフレンドリーであるか?
BtoB領域では、いまだにPCからのWebアクセスが主流であるケースが多く見られます。しかしながら、モバイルやタブレットでの閲覧がゼロではない以上、どのデバイスでも快適に閲覧できる設計=レスポンシブ対応が重要です。
特に、役職者や意思決定者がスマートフォンから簡易的に内容をチェックする、営業担当者が移動中に確認するなど、スマートフォンでサイトをチェックする場面も確実に増えています。
また、Googleはモバイルフレンドリーでないページに対して、検索順位を下げる可能性があると公式にアナウンスしており、SEO面でもモバイル対応は無視できません。
つまり、「モバイルファースト」であるかどうかにこだわる必要はないものの、画面サイズに応じて表示が最適化される設計(レスポンシブデザイン)であることは、ユーザー体験・評価・CVRの観点から重要な前提条件だといえるでしょう。
6. 離脱率の高いページ・導線が把握できているか?
どのページでユーザーが離脱しているのか、どこで迷っているのかを把握することは、CVR改善の第一歩です。
Googleアナリティクスでの行動フローや、ヒートマップ・クリックマップなどの可視化ツールを活用することで、具体的な改善ポイントを定量的に捉えられます。
7. 信頼性を補強するコンテンツ(事例・FAQなど)はあるか?
BtoBの意思決定には「信頼感」が大きく影響します。どれだけサービスの魅力を伝えても、「導入しても大丈夫だろうか」という不安が拭えなければ、コンバージョンにはつながりません。
導入事例、クライアントロゴ、FAQ、レビューなどを効果的に配置し、ユーザーが安心して問い合わせできる環境を整えましょう。
8. 滞在中のユーザーとリアルタイムで接点が持てているか?
ページを読んでいる「今この瞬間」は、ユーザーの関心が高まっているタイミングです。しかし多くの企業では、ユーザーからの問い合わせを待つ受け身の状態が続いており、その間に関心の熱が冷めてしまうケースが少なくありません。
そこで近年、多くの企業がチャットボットを導入し、問い合わせ対応の自動化を図っています。定型的な質問や簡単なナビゲーションには効果的ですが、チャットボットはあくまで受動的な対応であり、ユーザーの文脈や関心に合わせた柔軟な対応は難しい側面があります。
特に、サービスページをじっくり読んでいる、価格や事例を見比べているといったユーザーは、その場で少しだけ補足をしてあげればコンバージョンにつながる可能性があるあと一歩の層です。
そうしたユーザーに対し、リアルタイムで行動を把握し、より良いタイミングでチャットや通話による能動的な声かけができる仕組みを持っているかどうかが、CVRを大きく左右する分かれ目になります。
9. 有人チャットによる即時対応ができているか?
「少し話を聞いてみたい」「細かいことを確認したい」と思ったときに、すぐに人と話せる環境が整っているかは、CVRに大きく影響します。
チャットボットでは実現できない、双方向のリアルタイム対応によって、検討中のユーザーを確実に商談へと導くことが可能です。
10. 問い合わせや商談までの動線がスムーズか?
ユーザーがどれだけ関心を持っていても、実際の問い合わせまでに複数のステップを踏まなければならないと、モチベーションは下がってしまいます。
スムーズな導線設計は、CVRだけでなく顧客体験全体の質を高めることにもつながります。最後に、ここまでのポイントを一覧で確認できるチェックリストをまとめました。
CVR改善チェックリスト(まとめ)
No. | チェック項目 | ポイント |
1 | ページ表示速度は3秒以内か? | 表示が遅いと離脱率が上がる。ツールで速度改善を |
2 | ファーストビューで訴求が伝わるか? | 第一印象が重要。価値と行動導線を即提示 |
3 | CTAの設置場所・文言は適切か? | 目立つ位置・具体的なベネフィットを |
4 | フォームの項目数は最小限か? | 不要項目はカットし、入力ハードルを下げる |
5 | レスポンシブデザイン対応か? | どのデバイスでも快適に表示されるかを確認 |
6 | 離脱の多い導線が把握できているか? | アナリティクス・ヒートマップで定量把握を |
7 | 信頼性コンテンツが充実しているか? | 事例・FAQ・レビューなどで不安を払拭 |
8 | リアルタイムで接点を持てているか? | ユーザー行動に合わせた“今”の声かけが重要 |
9 | 有人チャットによる即対応が可能か? | 個別対応で検討層を離脱させない |
10 | 商談や問い合わせ導線はスムーズか? | ステップ数や手間を最小限に設計する |
チェックリストでは見落としがちな問い合わせ前のアプローチ

CVR改善に取り組む上で、ページ構成やフォームの最適化といった基本施策は欠かせません。しかし、そうした「見える改善」だけでは、成果に直結しないケースも多いのが実情です。
特に見落とされがちなのが、ユーザーがフォームにたどり着く前の「接点の設計」です。
実は、この問い合わせに至る前の行動をどう捉えるかが、CVR改善における突破口となることが少なくありません。
90%以上の訪問者が、フォーム送信前に離脱している現実
多くのBtoBサイトでは、サービスページや料金表、導入事例などをじっくりと読んだ上で、「資料請求」「お問い合わせ」などのコンバージョンには至らずに離脱するユーザーが大半です。実際に、90%以上の訪問者がフォーム送信前にサイトを離脱しているという調査データもあります。
これは、ページ自体に興味がないというよりも、「関心はあるけれど、今は問い合わせするほどではない」「後で連絡しようと思ったけど、そのまま忘れてしまった」といった、温度感のある見込み顧客を取りこぼしている可能性が高いことを意味します。
例えば、次のようなユーザーが離脱しているかもしれません。
- 他社と比較検討している最中の担当者
- 上長に提案するための材料を集めている情報収集中の担当者
- 「営業されたくない」という心理的ハードルを感じている見込み客
こうしたユーザーに対して、フォーム送信を待つだけの受け身の姿勢では、接点を持つことはできません。
「今この瞬間」に話しかけられるWeb接客の可能性
Webサイトの改善やフォーム最適化といった施策は、ユーザーが自ら行動してくれることを前提に設計されています。しかし、「こちらからアプローチする」という発想を加えることで、これまで逃していた多くのチャンスを新たに掴める可能性があります。
ユーザーがサービスページをじっくり読んでいる。料金表を比較している。導入事例を見ている。そんな関心の高い瞬間をリアルタイムで捉えられたら、CVRの改善に直結するはずです。
そこで効果を発揮するのが、リアルタイムで能動的に声をかけられるWeb接客の仕組みです。
例えば、OPTEMOのようなツールを活用すれば、ユーザーの閲覧状況や行動から、関心の高いタイミングや離脱の兆しをシステムが自動的に把握し、その瞬間に声をかけることが可能です。
これにより、「自分の状況を理解してくれている」と感じたユーザーは、問い合わせのハードルを大きく下げ、その場での商談化や資料請求につながる可能性が高まります。
つまり、「今この瞬間」を逃さず、ユーザーの検討タイミングに寄り添ったアプローチこそが、CVR改善において新たな突破口になるのです。
CVR改善の新しい選択肢「OPTEMO」ができること

従来のCVR改善施策では見落とされがちな「問い合わせ前の接点づくり」その課題を解決する手段として注目されているのが、OPTEMOのようなリアルタイム・有人型のWeb接客ツールです。
ここでは、OPTEMOならではの強みを紹介します。
フォーム入力前のユーザーにもアプローチできる
多くのWeb接客ツールは、ユーザーが問い合わせフォームに情報を入力するなど、何らかの明確なアクションを起こすまで、企業側からアプローチできません。しかしOPTEMOは、個人情報の入力や問い合わせがない段階でも、匿名ユーザーに対してリアルタイムで企業側から声をかけることが可能です。
訪問者のページ閲覧状況、スクロールの動き、画面サイズなどの行動データをもとに、「今まさに何を見ているか」「どこで迷っているか」といった状況を把握し、そのタイミングでチャットや音声通話をワンクリックで開始できます。
これにより、資料請求や問い合わせなどのフォーム入力をする前段階のユーザー、つまり関心はあるが行動には至っていない温度感の高い見込み顧客に対しても、適切なタイミングで接点を持つことができ、商談化への入り口をつくることが可能になります。
チャットボットでは実現できない営業向きの対応
一般的なチャットボットは、あらかじめ用意された定型文に従って自動で応答する仕組みです。カスタマーサポートや簡易な案内には向いていますが、ユーザーごとに異なる課題や関心に応じた深いコミュニケーションには限界があります。
その点、OPTEMOは有人型のチャットツールであり、実際の営業担当者がユーザーの状況を見ながらその場で対応できるため、質問に対して柔軟にヒアリングを重ねながら、そのまま商談に進める導線を作ることが可能です。
さらに、チャットだけでなく音声通話への切り替えもスムーズに行えるため、「少し話を聞いてみたい」「具体的な相談をしたい」と感じているユーザーとの距離を一気に縮められます。
専任担当によるPDCA改善支援で、継続的な成果をサポート
OPTEMOは単なるツール提供にとどまらず、専任担当者が導入企業の課題に応じてより良いシナリオ設計や運用改善を支援します。
訪問者の行動ログをもとにしたアプローチの最適化、成果の振り返り、声かけのタイミング調整など、継続的なPDCAを回す体制が整っているため、「導入して終わり」ではなく運用後の成果改善まで伴走してもらえる安心感があります。
商材の単価や業種を問わず、一人ひとりの訪問者との接点を逃さずに活かすことが、成果に直結します。OPTEMOは、あと一歩を拾い上げる仕組みとして、大きな強みを発揮します。
まとめ|CVR改善は「ページ改善+接客のタイミング」で変わる

CVRを上げるためには、CTAやフォームを改善するだけでは不十分です。「問い合わせ前」に接点を持つアプローチこそ、今後のCVR改善において欠かせない視点です。
OPTEMOを導入すれば、これまで拾えていなかった見込み顧客との接点が生まれ、CVRや商談化率、さらには獲得単価の改善にもつながります。
現在、個別シミュレーションや無料相談会も実施しています。フォーム改善やABテストに限界を感じている方は、「CVR改善のラストワンマイル」として、新しい打ち手を検討してみてはいかがでしょうか。
以下の資料では、OPTEMOの機能や活用事例について紹介しているので、ぜひご覧ください。