最終更新日: 2024.12.4

インサイドセールス研究会2024年11月例会レポート

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株式会社OPTEMOが運営しているインサイドセールス研究会というコミュニティでは毎月オフラインイベントを開催しております。11月に開催されたイベントの内容について、より多くの皆様に知っていただく機会となることを願い、イベントレポートを作成しました。


今回のレポートは、2024年11月26日(火)に渋谷に位置する千葉道場コミュニティスペースで開催されましたインサイドセールス研究会の内容をまとめておりますので、ぜひご覧ください。

インサイドセールス研究会について

インサイドセールス研究会は、『会社を超えてインサイドセールス同士が繋がり「師と友」を作れる場』として株式会社OPTEMOが運営しているコミュニティです。


インサイドセールスという業務の性質上、社外での横の繋がりが少ないという声を受け、2023年3月からこのコミュニティの運営を始めました。毎月特別なゲストを迎えて実践的なノウハウを提供しています。また、Facebookのグループで情報発信もしており、誰でも無料で参加できます。

https://optemo.co.jp/lp/is_ken

今回のテーマ

今回のイベントでは、株式会社セールスリクエスト 代表取締役の原 秀一様(@sicgram)をゲストにお迎えし、10月11日に開催されたInside Sales Conference 2024のアフタートークとして「リードナーチャリングはできないって本当?ナーチャリングから受注を生み出す2社がオフレコトークで事例を包み隠さず大公開!」のテーマで講演いただきました。モデレーターはOPTEMO代表の小池桃太郎(@MomotaroKOIKE)が務めました。

また、原様は12月18日に才流社と共著で執筆された『インサイドセールス 実践の教科書 立ち上げから組織づくり、事業成長まで』の出版を控えていらっしゃいます。顧客を見つけ、管理・分析し、関係性を築いていく方法を惜しみなく紹介されていますのでぜひお手に取ってみてください。

今回のインサイドセールス研究会は、合計で53社63名の方にお申し込みいただきました。

原様ご講演

原様が代表を務めるセールスリクエスト社では、年間約40社の新規のお客様のうち、おおよそ3割のお客様が過去に商談を行っていたり、ご解約になったお客様とのことです。このことからも分かるように、同社ではナーチャリング活動が非常にうまくいっています。今回のイベントでは、その秘訣や実際の取り組みについて、参加者も交えたディスカッション形式でお話しいただきました。

先日開催されたInside Sales Conference 2024での講演内容を振り返りながら、以下のテーマについてディスカッションを行いました。

・失敗しがちなインサイドセールスにおけるナーチャリング施策

・点と線のナーチャリング

・インサイドセールスの業務範囲と、量と質はどちらが重要か

・インサイドセールスのKPI設定と課題

ここからは、当日のセッションの内容をさらに深掘りしてお伝えします。

失敗しがちなISのナーチャリング施策と解決策

冒頭では、インサイドセールスがやりがちなナーチャリングの失敗事例について解説いただきました。

原様は、失敗しているナーチャリング施策のあるあるとして、「点」でのアプローチを挙げています。メールを送付して電話で追客をするという方法で顧客の態度変容を促しアポイントを取りに行くという活動は、ナーチャリングに結び付かず、失敗しやすいと語ります。前回の顧客との会話(文脈)を踏まえずに売り込みのメールを送付し、架電をするというやり方はまだまだ多くの企業で取り入れられていますが、顧客目線でのアプローチができずプッシュ型施策になっているため成果に結びつきにくいのだと言います。

「点」ではなく「線」のナーチャリングが重要

他にも点でのアプローチ事例として、メルマガを送付してメール内のURLをクリックした方に架電をする事例にも言及されました。メルマガはほとんど決まった方が反応(開封やURLクリック)しているため、はじめはロイヤリティの高い方にアプローチができ成果が出やすいものの、継続して施策を行うと、リストが固定化し同じ顧客に何度もアプローチしてしまいがちに。

これは多くのインサイドセールス現場で課題に上がる「リストの枯渇問題」も背景にあると言います。原様によれば、転職やジョブローテーション等を踏まえるとハウスリストの“賞味期限”は1年半ぐらいで、ハウスリストは日々少なくなっていっているという前提に立ち、どうやってナーチャリングしていくかが重要だと言います。特に、一度商談をした顧客に対し継続的に接触をもち、ロイヤリティを上げていくことにフォーカスするのが良いのではないかとお話しいただきました。

一方で、インサイドセールス側から能動的に「線」にすることは難易度が高いのが実情です。線のナーチャリングを実現するためには、インサイドセールスが、顧客がどのような懸念・課題を持っているのか、それがどのタイミングに発露し、次に進めるためにはどのようにコミュニケーションを取っていくのかというようなロードマップを握ることが大切だと語られました。

セールスリクエスト社では、顧客と接点を持ち続ける施策として「SRnight(セールスリクエストナイト)」というオフラインイベントを定期開催しており、そこに顧客を誘致するという施策を行っています。オンラインで商談ができる時代かつ、インサイドセールスが直接顧客と会って会話をしないからこそ、オフラインという武器をいかに有効活用するかに重きを置いているのだと言います。最も顧客接触機会の多いインサイドセールスだからこそ、オフラインイベントも含め自社のロイヤリティを上げるために自分たちが発信していくという動きは、これだけでも差別化になりうると語りました。

ブランドとマーケティングニーズの2つの軸

原様は、顧客を「ブランド」と「マーケティングニーズ」の2つの軸で分類することの重要性にも言及されました。

縦軸に「ブランド(サービス、会社)」、横軸に「マーケティング(顧客の課題、ニーズ)」と分けたときに、自社に対するロイヤリティが高い状態であれば、課題(マーケティングニーズ)が顕在化した際に商談化率や受注率が高い傾向にあるとお話しいただきました。一方で、自社のロイヤリティが低いもののマーケティングニーズがある状態の場合、商談を獲得できても、受注までつなげるハードルが非常に高いといいます。

したがって、受注数を最大化するためには、ブランド軸とマーケティング軸の2つを強化していくことが重要なのだと言います。

商談の種類と役割分担

マーケティングニーズの高い顧客のロイヤリティを上げる施策には、どのようなものがあるかもディスカッションされました。この点においては、フィールドセールス側の活動も必要であると原様は語りました。

多くの企業では、プロジェクト化した、もしくはプロジェクト化するかもしれないタイミングで商談機会が生まれます。その際のプロジェクト推進やスタックしてしまったプロジェクトを進めるための働きかけはフィールドセールスの側の仕事に当たると言います。ここでは、リプレイスタイミングが3年から5年に一度しかないエンタープライズ向け商材では、フィールドセールスが「認知獲得のための商談」を積極的に行っているという事例をご紹介いただきました。

加えて、商談には2つの種類があるとも言及されました。ひとつはサービス・自社の存在を正しく知ってもらい、検討時の第一想起に入れてもらうための「認知獲得」商談、もうひとつは既にプロジェクトが進んでおり具体的に導入するサービスの選定段階で自社を選んでもらうための「導入検討」商談です。営業はこの2つの商談があると理解をしたうえで活動する必要があるといいます。

OPTEMOの場合、「認知獲得」商談はインサイドセールスが担う場合もあり、商談ごとに役割を分けることによって、社内での動きや商談の位置づけが明確になっています。このように役割分担ができている企業は、パイプライン展開やパイプラインからの受注数も高い傾向にあると原様も語りました。

「脳内SEO」で1位を取っていくためのコミュニケーションの重要性

原様は「脳内SEO」という概念も紹介されました。これは、顧客の記憶に自社や自分を強く印象づけることを意味します。セールスリクエスト社では、この脳内SEOで第一想起群に入るための活動にも重きを置いているそうです。

インサイドセールスの活動において、電話でコミュニケーションを取れる顧客は多くありません。そのため、課題が顕在化されていないもののコミュニケーションが取れる方に対しては、自社サービスの紹介だけでなく、顧客の職種・役職に合わせた課題の理解への共感、さらに未来へのストーリーを道筋立ててあげるようなコミュニケーション行うことで顧客に好感を持ってもらう・記憶に残ることが、インサイドセールスの最大の価値であると話します。

脳内SEOの第一想起群に入るためには、顧客理解に加え、顧客が抱える課題や悩みへの仮説も持っておくことが非常に重要です。

インサイドセールスの業務範囲と量と質の両立

イベントでは、インサイドセールスの業務範囲についてもディスカッションされました。具体的な例を挙げ、業種業態やターゲット企業の性質によってはインサイドセールスが商談から受注まで担うケースもあり、インサイドセールスの業務範囲は非常に広範囲に及ぶ場合もあると言及されました。

加えて業務範囲が広いことで、量(数・工数)と質の両立は相反するのではないかという議題が投げられました。これについては、数の少ないエンタープライズ企業をターゲットにするのか、幅広いSMB企業をターゲットとするのかで考え方が異なると前置きをしたうえで、どちらも大事であると原様は語ります。数年前までインサイドセールスとフィールドセールスはほとんどの企業で分業化されておらず、どちらも追っていたことを根拠に挙げています。

しかし工数を鑑みたときに、量と質のどちらを優先すべきかは考える必要があると話します。この問題については明確な答えはなく、プロダクトやフェーズ、ターゲットによって考え方は異なり、たとえばリストが多いのであれば「量」を重視したほうがよく、逆にエンタープライズ向けで単価の高い商材の場合は「質」を重視する方が良いのではないかと議論が交わされました。また一方で、とにかく量をやり切ることこそが、質への転換に不可欠だと小池は話しました。

インサイドセールスのKPI設定と課題

ディスカッションの終盤では、インサイドセールスのKPI設定の課題についても議論されました。

ここでは、「架電数」だけをKPIにすることは避けてほしいと強く訴えられました。数値として取ることは問題ないものの、架電数だけをインサイドセールス個人の評価に紐づけてしまうと、本質的な成果につながらない行動を誘発する可能性があることを指摘。

架電、商談、受注までの細かい数値を見える化したうえで、売上に紐づく先行指標を追うべきだと小池は語りました。

交流会の様子

講演および質疑応答が終了し、第二部の交流会がスタート。

交流会では原様や小池に直接質問をされる方がいたり、インサイドセールスの皆さん同士で情報交換や日ごろの活動のシェアをされたりと、オフラインならではの活気・熱量を感じる時間となりました。また当日はセールスリクエスト様にも瓶ビールや豪華ノベルティをご用意いただきました。じゃんけんで勝つとプレゼントがもらえる楽しい企画も実施し、とても盛り上がっておりました。

インサイドセールス研究会の交流会では、毎回「新しい体験を提供する」というテーマのもと、参加者に特典としてちょっとした品物やサービスをプレゼントしています。今回は、ご参加の皆様へお土産として、味の素さんのだしをドリップ抽出して楽しむ新しいスタイルの飲み物「Dashi-Cha」をご用意しました。

最後に

今回のインサイドセールス研究会では、インサイドセールスにおけるナーチャリング施策の失敗事例から、成果につながる具体的な施策までをディスカッション形式で皆さまにお伝えいたしました。他にも、インサイドセールスで顧客の第一想起を取りに行くことの重要性やKPI設定など、さまざまな議題についてディスカッションができた有意義な会になったと思っています。

本イベントの内容が、ご参加いただいた皆さんのこれからの活動に少しでもお役に立てれば幸いです。

次回のインサイドセールス研究会は、株式会社IVRyの森本聖士様をゲストに迎え、2025年1月24日(金)19:00-21:00に渋谷で「700架電を削減したメールマーケティング~インサイドセールスのための持続可能なハウスリスト活用術~」というテーマで開催いたします。

▼参加申し込みはこちらから

https://share.hsforms.com/1CcfX1_QlSGum_yEM2JSEywcqns4

次回のインサイドセールス研究会で多くの皆様とお会いできることを楽しみにしております。

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