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  • インサイドセールス研究会2025年12月例会レポート

公開日
2026.01.21
更新日
2026.01.21

株式会社OPTEMOが運営しているインサイドセールス研究会というコミュニティでは、毎月オフラインイベントを開催しております。12月に開催されたイベントの内容について、より多くの皆さまに知っていただく機会となることを願い、イベントレポートを作成しました。

今回のレポートでは、2025年12月9日(火)に渋谷に位置する千葉道場コミュニティスペースで開催されたインサイドセールス研究会の内容をまとめております。ぜひご覧ください。

インサイドセールス研究会について

インサイドセールス研究会は、『会社を超えてインサイドセールス同士がつながり「師と友」を作れる場』として株式会社OPTEMOが運営しているコミュニティです。

インサイドセールスという業務の性質上、社外での横のつながりが少ないという声を受け、2023年3月からこのコミュニティの運営を始めました。毎月特別なゲストを迎えて実践的なノウハウを提供しています。また、Facebookのグループで情報発信もしており、誰でも無料で参加できます。

https://optemo.co.jp/lp/is_ken

今回のテーマ

今回のイベントでは、SALESCORE株式会社の小林侑生様をゲストにお迎えしました。「架電以外、全部AI化⁉人数を増やさず、7倍の効率化 インサイドセールスの責任者必見のAI活用事例」というテーマで登壇していただきました。

モデレーターはOPTEMO代表の小池桃太郎(@MomotaroKOIKE)が務めました。

小林様ご講演

小林様はSALESCORE株式会社のインサイドセールス部で部長を務めています。新卒でレイスグループに入社し、新規開拓営業を経験されました。おもに中堅・中小企業のオーナー経営者向けに、大手の取締役以上のOB人材のネットワーク・ノウハウを用いた経営課題の解決を手掛けてきた経歴をお持ちです。

2025年5月にSALESCORE株式会社に入社し、8月よりインサイドセールス部の責任者を務めています。入社前はChatGPTすら触ったことがなかったものの、AIの活用によって着実に成果をあげてきました。

当日のイベントでは、以下のトピックについてお話しいただきました。

・AI化している業務の全体像

・現場の反発を乗り越えたAI導入・定着のプロセス

・2〜3クリックで完結するメール自動生成の仕組み

・SFA自動入力

・音源分析とフィードバックへのAI活用

・人数を増やさず7倍の効率化を実現した成果

・n8nによるワークフロー構築

・インサイドセールスが架電で提案に集中出来る仕組みの設計

AI化している業務の全体像

AI化の対象となる業務は、架電の前後に分かれます。架電前の業務としては、顧客リストや提案資料の準備(企業のビジネスモデル・課題の調査)があります。架電後の業務としては、フォローメール作成、SFA(Salesforce)への記録、フィールドセールスへの引き継ぎ資料作成などが挙げられます。

会場で行われたアンケートでは、AIを使いこなしている人は1〜2割程度という結果でした。「架電前・架電後のどちらでAIを活用しているか」という質問の回答は半々に分かれ、参加者がそれぞれ現場で異なる課題を抱えていることが伺えました。

現場の反発を乗り越えたAI導入プロセス

社内でのAI導入は順風満帆ではなく、定着までに多くの苦労があったと小林様は振り返りました。

最初にAI化した業務と使用ツール

いち早くAI化した業務は、SFAの記録とメールの作成でした。

使用ツールはChatGPTとGensparkで、ワークフローツール「n8n(エヌエイトエヌ)」を用いてAIツールを組み合わせ、カスタマイズしています。ChatGPTとGensparkに関しては無料版を使用していたものの、機能面で限界を感じて有料化に踏み切ったとのことです。

導入初期に発生した課題と現場の反発

AIの導入時には、さまざまな課題が発生しました。

SFA自動入力では情報が時系列に書かれていたため見づらい、発言をそのまま羅列するので分かりにくいなどの問題がありました。

メール作成では存在しない事例を勝手に作り出す「ハルシネーション」が発生し、現場から「本当に使えるの?」「手でやった方が早い」という反発の声が上がりました。

AIを信用しきれないメンバーが自動生成メールを使わず、自分で作ったメールを送るケースもあったといいます。

定着に向けた「スモールスタート」の取り組み

業務のAI化の定着を推進するために、まずは一部のメンバーにツールを使ってもらったり、小林様ご自身も活用したりしたとのことです。

またハイパフォーマーに協力してもらい成功事例を生み出すことで、他の社員が業務のAI化に関心を持つ空気を醸成する取り組みを行いました。

「AIを組み込んだワークフローが完成するまで、何度もエラーが発生しました」という言葉からも、当時の苦労が伺えます。開発チームと連携してチューニングを繰り返した結果、形になるまで2〜3ヶ月かかったそうです。

2〜3クリックで完結するメール自動生成の仕組み

小林様は、自動的にメールを送信できるワークフローについて詳しく説明しました。

「WHY NOW」「WHY YOU」を実現するカスタマイズ

メール自動生成の仕組みにより、電話ではなかなかアポが取れない顧客層からも商談の機会を獲得できるようになりました。

こだわったポイントは「WHY NOW(なぜ今か)」「WHY YOU(なぜあなたか)」の2点です。顧客の予定を自動取得してメールに貼り付け、類似事例をドキュメント化してそこから抽出・カスタマイズする仕組みを構築しました。ハルシネーション対策として、ISメンバーで事例を細かくドキュメントに蓄積する運用も行っています。

「地道な努力を重ねた結果、お客さまに興味を持ってもらえそうな事例をカスタマイズして出力する粒度を上げられました」と小林様は語りました。

架電終了から送信までのワークフロー

架電終了後に「通電」「未通電」ボタンのいずれかを押すとワークフローが分岐します。

SFAと連携し、AIが誰に電話したかを自動認識。相手の部署をAIが認知すると、その部署に適した文章をカスタマイズして出力します。

日程から事例まで含んだ下書きがGmailに自動作成され、人間は間違った情報がないか確認して送信する運用とし、実務上は2〜3操作で完結するプロセスを構築しています。

リスト優先順位付けとSFA自動入力

小林様は、効率的なアプローチを実現するための仕組みについても解説しました。

リスト抽出における2つの軸

リスト抽出は「リードの鮮度」と「ターゲット基準」の2つの軸で行っています。

リードの鮮度とは、昨日入ってきたものか1ヶ月前のものかという時間軸です。従業員数・業界・SFA連携可否などがターゲット基準となります。

従業員数が一定以上かつリード流入が直近であればTier1(最優先フォロー)と判定し、Salesforceでラベル管理しながらBIツールで可視化しています。

同じ社名を含むグループ会社に関しては、リードの鮮度を基準に判断しているとのことでした。

SFA自動入力システムの導入

SFA自動入力は「業務のAI化の中でも、比較的取り組みやすい領域だった」と小林様は語ります。

SalesforceにComdeskといったツールを連携するだけで実現でき、しかも業務の内容を問わないためすぐに始められました。AI導入前は入力の工数だけでリソースを取られていたため、この削減効果は大きかったといいます。

音源分析とフィードバックへのAI活用

小林様は、属人的な判断をなくす仕組みとして音源分析に対するAI活用も紹介されました。

インサイドセールスシートの構築

Gensparkを活用した「インサイドセールスシート」では、フィラー(「あー」「えー」など)の使用回数、言葉遣いのていねいさ、声のトーンなどを分析します。

レベル分けは基礎レベル(5人と繋がって1人獲得=20%)からエキスパートレベル(2人と繋がって1人獲得=60%)まで設定されており、AIに音源を入れると「あなたは基礎レベルなので、こういう訓練をしましょう」と判定してアドバイスが出力される仕組みです。

音源を入れる行為は人間が行っていますが、小林様は「ゆくゆくはここも自動化したい」とおっしゃっていました。

FSへの引き継ぎ資料作成【事実ベースで認識の食い違いを防ぐ】

フィールドセールスへの引き継ぎでは、通話記録・要約をテンプレートに当てはめて担当者に自動通知する仕組みを構築しました。

インサイドセールス側で追加したい情報がある場合、通話記録にコメントを入れるとアウトプットに反映されます。

お客さまがどのような情報を必要としているか、相手の温度感はどのくらいかをAIで出力し、ISとFSで「これは最低限聞きましょう」と合意した項目のみ記載します。

事実ベースで情報を記載することで、「ホットなリードと聞いていたのにダメだった」という双方の認識の食い違いを防止できるようになりました。

人数を増やさず、生産性を7倍に

インサイドセールスの人数を増やさず生産性を7倍にした成果について、小林様は具体的な数字とともに紹介されました。

架電数1.3倍、メール経由アポ8倍の定量的成果

インサイドセールスのチームは6名で、そのうち4名は営業未経験者という体制です。業務のAI化を推進した結果、架電数は月3,500件から4,600件、数値にして1.3倍に増加しました。

またメール送信数は2.3倍、メール経由でのアポイント獲得数は、1件から8件へと増加しました。SFA入力時間は1人あたり月20〜30時間削減され、引き継ぎ資料の作成時間も月10時間削減されました。

営業未経験者でもハイパフォーマー水準を実現

大きな成果として、営業未経験者でも高い成果が再現されるケースが生まれたことが挙げられます。

小林様は、入社1ヶ月の営業未経験メンバーがメールでフィンテック企業のCOOのアポを獲得した事例を紹介しました。これはハイパフォーマーの行動・文章をAIに学習させることで再現性を実現し、セールスイネーブルメント(営業に再現性を持たせる)を構築した結果といえるでしょう。

時間の余白が生んだ働き方の質的向上

また、働き方の質的向上も見られました。業務をAI化する以前は引き継ぎ事項や入力作業が多く、仕事の勉強に充てる時間が取れない、お客さまのことを考える時間がないという声がありました。

AIツール導入後は時間の余白ができ、お客さまのことを考える時間が増え、新人も自己研鑽の時間を確保できるようになったといいます。単なる時短にとどまらず、サービス品質や社員のモチベーション向上にも大きく寄与したのです。

n8nによるワークフロー構築

イベントでの反響が大きかったこともあり、小林様はn8nの活用について詳しく解説されました。

柔軟性の高さが決め手となったn8n選定

Zapier(ザピアー)やYoom(ユーム)との比較検討の結果、開発チームの検証でn8nがもっとも柔軟性が高いと判断されたとのことです。

業界・部署・通電パターンごとの細かい分岐が必要なため、この柔軟性が導入の決め手となりました。海外製ツールですが、部分的に日本語にも対応しています。

業界・部署ごとに分岐するワークフローの構造

ワークフローの構造は、架電開始→Comdesk→Salesforceから情報取得→プロンプトでメール生成という流れになっています。

分岐例として、DX推進の部署ならこのライン、営業企画ならこのライン、業界別ラインというように複数パターンがチューニングされています。

最終的にChatGPTを経てGmailにアウトプットされ、ワンクリックで情報が出力される仕組みです。人間がやることは文章のチェックのみで、送信ボタンを押せばメールを送れます。

インパクトの大きい業務から着手するAI化の優先順位

どの業務からAI化するかは重要な視点です。小林様は、業務プロセスを分解して時間のかかる部分に着目することを推奨しました。

実際にあったケースをあげると、電話がつながらないお客様へのメール作成に1通30分もかかっていました。「その30分があれば6〜7件は電話できる」と考え、まずはメール作成のAI化に着手しました。

全体を整理したうえでインパクトの大きいところから着手し、“構築はアナログで泥臭く、アウトプットはスマートに”というアプローチを取っています。

質疑応答

Q1. FSとの連携と文化醸成について

【参加者からの質問】

IS側はAIをフル活用していますが、FS側も同じ体制ですか?情報を受け入れる素地がないと「ISは何をしているのか?」という疑念を持たれそうですが、文化の醸成はどのように取り組んでいるのでしょう?

【小林様の回答】

もともとFS側から「業務にAIを採り入れてほしい」と要望がありました。ISが言っていることと、実際にトスアップした情報に食い違いがある事例は少なくなかったからです。

商談の精度を上げたいという共通の認識があったので、SFAの自動記録やメール自動生成の仕組みができてきたら「次こっちをやりたいよね」となり、双方の合意があったので比較的スムーズに進みました。

Q2. メールで一番成果が出たポイントについて

【参加者からの質問】

業務のAI化によってもっとも成果を感じた部分と、ビフォーアフターについてお聞きします。メールのテンプレートを複数作ってメンバーに使ってもらう過程で、その選択が正しいのか、確率が高いものだったのかという分析もやられたのですか?

【小林様の回答】

一番成果が出たのはメール経由からのアポ獲得で、メールでアポを取れている人をモデルにして分析したところ、顕著に成果が出ました。

先ほどもお伝えした「セールスイネーブルメント」の考え方から、結果を出せているメンバーの文章や事例の使い方をAIにチューニングさせ、1件から8件に伸びています。ハイパフォーマーの分析はアナログで、全員にインタビューして何回もメールをブラッシュアップしました。

交流会の様子

講演後の交流会では、AI活用の実践的なノウハウに関心が集中しました。名刺交換の際には、n8nによるワークフロー構築の具体的な仕組みにまつわる質問が続出し、「構築はアナログで泥臭く、アウトプットはスマートに」というアプローチに多くの参加者が共感を示しました。

インサイドセールス研究会の交流会では、毎回「新しい体験を提供する」というテーマのもと、参加者に特典としてちょっとした品物やサービスをプレゼントしています。

今回は参加者へのお土産として、日本初の日本酒アイスクリーム専門店「SAKEICE」の酒アイスが振る舞われました。「日本酒の香りがふわっと広がる上品な味わい」「濃厚でミルキーな風味」と好評でした。

最後に

今回のインサイドセールス研究会では、AI活用によるインサイドセールスの業務効率化について、導入初期の課題から定着までのプロセス、そして具体的な成果まで実践的な知見が共有されました。

なかでも印象的だったのは、“構築はアナログで泥臭く、アウトプットはスマートに”という小林様のアプローチです。ハイパフォーマーへの地道なインタビューを通じてノウハウを言語化し、それをAIに学習させることで再現性を実現する手法は、多くの組織で応用できる貴重な知見でした。

本イベントの内容が、ご参加いただいた皆様のインサイドセールス活動に少しでもお役に立てば幸いです。

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執筆者 OPTEMO編集部

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