顧客満足度を上げるには?向上させる施策・成功事例をわかりやすく解説
商品やサービスの質には自信があるのに、リピートや継続契約がなかなか伸びない。問い合わせ対応には力を入れているつもりでも、解約や離脱が減る気配がない。こうした行き詰まりの裏側には、顧客満足度(CS)の停滞が隠れていることがよくあります。
顧客満足度は、リピート率や口コミ、解約率といった事業の成果と深くつながる指標です。とはいえ、どこに手を入れれば数値が動くのかが見えにくく、施策が場当たり的になりやすいテーマでもあります。
この記事では、顧客満足度が決まる仕組みから、数値を下げてしまう要因、向上させる具体的な施策と進め方、そして実際に成果を出した企業の取り組みまでを順に整理していきます。
目次
顧客満足度(CS)とは

最初に、顧客満足度がそもそも何を指すのか、どのような仕組みで決まるのかを押さえておきます。
顧客満足度は「事前期待」と「実際の体験」の差で決まる
顧客満足度(CS:Customer Satisfaction)とは、商品やサービスを利用した顧客が、その体験にどれだけ満足したかを数値や言葉でとらえた指標です。かつては接客態度や応対の良し悪しという文脈で語られることの多かった言葉ですが、いまではリピート率や解約率、LTVといった経営の成果に直結する指標として扱われています。
満足度がどう生まれるかは、「実際に得た体験」から「利用前に抱いていた期待」を引いた差で説明できます。利用前の期待を体験が上回れば満足や感動が生まれ、下回れば不満が残るという関係です。つまり満足度を高める鍵は、体験の質を上げることと、期待を適切な水準に保つことの両面にあります。
製品そのものだけでなく、購入を検討している段階から利用後のサポートまで、顧客が触れるすべての接点が満足度を左右します。
顧客満足度が下がる主な要因

向上策を考える前に、何が満足度を押し下げているのかを知っておくと、自社の課題を早い段階で見つけやすくなります。
代表的な要因を4つ取り上げます。
問い合わせへの対応が遅い
返信までの待ち時間が長い、電話がつながらないといった体験は、不満に直結しやすい要因です。最終的に問題が解決したとしても、「解決まで時間がかかった」という印象が残ると、満足度はなかなか上がりません。
対応スピードは、顧客がもっとも敏感に感じ取る要素のひとつといえます。
期待していた内容と実際にずれがある
広告や説明から思い描いていた内容と、実際に受けた商品やサービスとの間に差があると、強い不満につながります。
「想像していたものと違う」という感覚は信頼を損ないやすく、二度目の利用が遠のく大きな原因になります。
問い合わせがしにくい・たらい回しにされる
どこに連絡すればよいのか分からない、ようやく問い合わせたのに別の窓口へ回された、という経験は顧客にとって大きな負担です。
疑問が解けないまま時間だけが過ぎていくと、企業そのものへの不信に変わっていきます。
担当者によって対応の質にばらつきがある
同じ会社なのに、対応する人によって回答の中身や丁寧さが変わると、安定しない会社だという印象を残します。
特定の担当者だけに知識や経験が偏る属人化が進んでいると、このばらつきは起きやすくなります。
顧客満足度を向上させる効果

満足度を高める取り組みは、顧客のためになるだけでなく、企業の業績にもはっきりとした見返りをもたらします。
主な効果を3つに分けて見ていきます。
新規顧客の獲得につながる
満足した顧客は、その体験をSNSや知人へ自然に語ります。こうして生まれる好意的な口コミは、企業が出す広告よりも信頼されやすく、宣伝費をかけずに新たな顧客との接点を広げる力を持ちます。
拡散力の強いSNS上で評判が広がれば、その効果はさらに大きくなります。
リピート率が高まる
満足度の高い顧客は、競合への乗り換えを考えにくくなります。マーケティング業界で広く知られる「1:5の法則」(新規顧客の獲得コストは既存顧客維持の5倍かかるという経験則)で示されるように、既存顧客の維持は事業全体のコスト効率に大きく影響します。リピートしてもらえる関係を築くことは、収益の安定にも直結します。
満足を積み重ねた先に、熱量の高いロイヤルカスタマーも育っていきます。
LTV(顧客生涯価値)が向上する
LTVは、ひとりの顧客が取引を続ける間に企業へもたらす利益の総量を表す指標です。継続利用が収益の土台となるサブスクリプション型のビジネスでは、特に重視されています。
満足度が上がってファンが増えれば、契約期間が延び、上位プランや関連商品への移行も生まれやすくなり、結果としてLTVが押し上げられます。
顧客満足度を測る主要指標

取り組みが成果につながっているかを確かめるには、満足度を数値でとらえる物差しが必要です。
よく使われる指標を整理します。
NPS®(ネットプロモータースコア)
NPS®は、「この商品やサービスを親しい人へ勧めたいか」を0〜10点で答えてもらい、推奨度から顧客ロイヤルティを測る指標です。9〜10点をつけた推奨者の割合から、0〜6点をつけた批判者の割合を引いて算出します。
質問が1つでシンプルなため定期的に計測しやすく、業績との相関が強い点から、中心指標として採用する企業が多くなっています。
CSI/JCSI(顧客満足度指数)
CSIは、期待していた度合いや実際の体験、再利用の意向など複数の角度から0〜100点で評価を集める国際的な指標です。
1つの質問で測るNPS®より深く掘り下げられるため、他社や業界平均との比較に向いています。JCSIはこのCSIを日本向けに設計し直したもので、推奨意向を加えた構成になっており、業界内での自社の位置づけを把握するときに役立ちます。
CSAT・CES(個別の体験を測る指標)
CSATは、問い合わせ対応の直後など、特定の体験に対する満足度をその場で測る指標です。
CESは「目的を達成するのにどれだけ手間がかかったか」という顧客の労力に着目した指標で、自己解決のしやすさを評価する場面に適しています。全体像はNPS®やCSIで、個々の接点はCSATやCESで、と使い分けると現状をつかみやすくなります。
顧客満足度を向上させる10の取り組み

ここからは、現場の対応から組織の仕組みづくりまで、実際に着手できる施策を10個に絞って提案します。
自社の課題に近いものから優先順位をつけて取り入れていく前提で読み進めてもらえればと思います。
顧客のニーズと期待値を正しく把握する
出発点になるのは、顧客が何を求めているかを正確に知ることです。すべての顧客が手厚い会話を望んでいるわけではなく、スピードを重視する人もいれば、丁寧な共感を求める人もいます。
アンケートや初回のヒアリングを通じて、その顧客が解決の速さと寄り添いのどちらに価値を置いているかを見極めると、相手にとって心地よい対応を選べるようになります。
過剰な期待を持たせず提供範囲を明確にする
顧客のためを思って特別な対応を重ねると、一見良さそうに見えて期待値が際限なく上がっていきます。
次に通常の対応をしただけで「前回はやってくれたのに」という不満が生まれかねません。提供できることとできないことの線引きを社内で共有し、一貫した水準を保つことが、長い目で見た満足につながります。
商品・サービスそのものの品質を高める
どれほど応対が丁寧でも、製品自体に不具合が多ければ満足度は上がりません。使いにくい画面や頻発する不具合、分かりにくい仕様は、顧客にとって大きなストレス源になります。
現場に寄せられた「使いづらい」という声を開発側へ確実に届け、根本の品質を磨き続けることが土台になります。
自己解決できる仕組み(FAQなど)を整える
いまの顧客、とりわけデジタルに慣れた層は、問い合わせること自体を手間と感じる傾向があります。疑問が浮かんだその瞬間に自分で答えへたどり着けるよう、FAQやチュートリアルを整えておくと、不満が生まれる前に解決できます。
手間をかけずに解決できる体験は、近年のCSで重視されている考え方です。
問い合わせに迅速で丁寧に対応する
自己解決が難しい複雑な相談では、人による対応の出番になります。求められるのは速さと丁寧さの両立です。
とりわけ最初の一次回答の早さは安心感に直結します。解決に時間がかかる場合でも、現在確認していること、いつまでに連絡するかを早い段階で一報入れるだけで、顧客の不安はやわらいでいきます。
サイト上の疑問にその場で有人で応える
満足度は契約後だけでなく、購入や問い合わせを検討している段階から動き始めています。
商品ページや料金ページを見ながら疑問や不安を抱えた訪問者は、わざわざ問い合わせフォームを使うほどでもないと感じ、答えを得られないまま離れてしまうことが少なくありません。
この検討段階の取りこぼしを防ぐ手立てとして、Webサイト上で訪問者に人がその場で応える有人型のチャットツールという選択肢があります。
たとえばOPTEMOは、特定のページの閲覧や長い滞在をリアルタイムで捉え、関心が高まっている訪問者へチャットや音声通話でその場から声をかけられます。
あらかじめ決まった答えを返すマニュアル型では拾いきれない個別の疑問にも、人が直接応えられる点が持ち味です。問い合わせ前の不安をその場で解消できれば、離脱を防ぎながら、検討段階の顧客体験そのものを底上げできます。
CRM・SFAで顧客データを活用する
CRMやSFAを使って顧客の属性や利用履歴を一元化すると、データにもとづいた対応が取れるようになります。
「そろそろ補充の時期ではないか」「この機能を使う人にはこの設定が合う」といった先回りの提案は、自分のことを理解してくれているという信頼を生みます。受け身の対応から、能動的に顧客の成功を後押しする関わりへ切り替える土台になります。
顧客フィードバック(VoC)を収集して改善に生かす
寄せられた要望やクレームは、処理して終わらせるだけでは惜しい情報の宝庫です。全社で共有し、改善へつなげていきます。
さらに踏み込みたいのが、改善した結果を顧客へ伝え返すことです。「お客様の声をもとに、この点を見直した」と伝えると、声を大切にする会社だという印象が残り、ロイヤルティの向上に大きく働きます。
一人ひとりに合わせたパーソナライズ対応を行う
画一的なマニュアル対応だけに頼らず、相手に合わせた個別の対応を取り入れます。初めて使う人には専門用語を避けて図を交えながら説明し、使い慣れた人にはより踏み込んだ技術情報を渡すなど、熟練度や状況に応じて伝え方を変えると満足度が高まります。
「自分のために合わせてくれた」という特別感が、印象に残る体験を生み出します。
従業員満足度(ES)を高める
顧客満足度と従業員満足度は、表裏一体の関係にあるといわれます。疲弊して不満を抱えた状態の従業員が、顧客へ最高の対応を届け続けるのは難しいからです。評価制度の見直しや業務効率化の仕組みづくりを通じて、従業員が前向きに働ける環境を整えることが、めぐりめぐってサービスの質を押し上げます。
顧客から感謝される機会が増えれば従業員の意欲も上がり、定着が進んでさらに満足度が高まるという好循環も生まれます。
顧客満足度を向上させる3ステップ

施策を点で実行するよりも、現状把握から改善までを一続きの流れとして回すほうが、効果は安定します。基本となる3つのステップを示します。
現状を測定して課題を把握する
最初に、いまの満足度を数値でとらえます。感覚ではなくデータで整理することで、どの領域に課題があるかが明確になり、施策の優先順位をつけやすくなります。
満足している点だけでなく、どこに不満や改善要望があるかを一つひとつ拾い上げることが、次の目標設定の精度を高めます。アンケートとインタビューなど、定量と定性の両面から実態をつかむと、見落としが減ります。
目標を設定して施策を実行する
把握した課題をもとに、目標を定めて施策に移します。ここで意識したいのは、満足度そのものを目的化しないことです。
解約率を下げる、口コミ評価を改善するなど、自社のどの経営課題につながる満足度なのかを定め、継続率や顧客維持率といった具体的な数値目標へ落とし込んでいきます。
効果を測定して改善を続ける
施策を打ったら、定期的に測定して効果を検証します。一度の調査では安定した手応えはつかみにくいため、半年から1年に一度を目安に繰り返していきます。
毎回同じ設問を使うのではなく、前回の検証から次回の調査内容を見直すことで、変化を的確に追えるようになります。
顧客満足度の向上に成功した企業の事例

ここでは、Web上での顧客対応を見直すことで満足度を高めた2社の取り組みを取り上げます。
利用中のユーザーへのサポートと、検討段階の訪問者への対応という、異なる切り口の事例です。自社の状況に近い部分があれば、考え方を取り入れる手がかりになります。
株式会社パートナープロップ

パートナービジネスを成長させるPRMツールを提供する株式会社パートナープロップは、Web上での顧客対応を見直すことで満足度を高めた一社です。
同社では、エンドユーザーを含めて数千近くにのぼる利用ユーザーから1日に数十件の問い合わせが寄せられる一方、カスタマーサクセス担当は1名で他部署からの兼任サポートに頼る体制のため、サポートが追いつかない状態が続いていました。利用者がツールの操作中に疑問を抱えても、その場では解決できず、問い合わせて回答を待つしかない流れになっていたのです。
そこで同社は、Webサイト上で訪問者へ人が直接応える有人チャットツール「OPTEMO」を導入し、システムに関する問い合わせを一元化しました。利用者は画面を閉じることなく、同じ場所でその場のチャットによって疑問を解消できるようになり、最短1分以内に対応し、長くても3〜10分以内に解決できる体制が整いました。
結果として、月あたり160時間分の対応リソースが削減され、担当者は本来注力したい業務へ時間を振り向けられるようになっています。利用者からは「その場でスピード解決できている」という声が多く寄せられ、困っている瞬間を逃さずその場で応えることが、満足度の向上に直結した事例といえます。
本事例の詳細は、こちらのページで紹介しています。
株式会社GiverLink

株式会社GiverLinkは、介護ソフトの比較検討サイト「介護のコミミ」を運営する会社です。同社が課題としていたのは、すでに悩みがはっきりしている人は気軽に問い合わせてくれる一方で、自分の課題に気づいていない潜在層との接点をつくれていなかったことでした。
一度問い合わせをもらえれば、サポートスタッフが寄り添いながら悩みを引き出せるものの、そのプロセスをWeb上で完結させる手段がなかったのです。
そこで同社は、サイト上で訪問者に企業側から声をかけられる有人型のチャットツール「OPTEMO」を、資料ダウンロードや比較検討のページに取り入れました。訪問者が何を見て何に迷っているかをリアルタイムで把握しながら、チャットだけでなく音声通話でも応じられるため、問い合わせフォームへの入力を待たずに、検討の途中にいる人へ自然に寄り添えるようになりました。電話番号などの個人情報を入力しなくても音声でやり取りできることで、訪問者側の負担も小さく抑えられています。
文字だけでは伝わりにくい温度感を声でやり取りできるようになったことで、お客様の悩みを深く引き出せる体制が整いました。検討段階の不安にその場で応えることが、訪問者に寄り添うWeb体験につながった事例です。
本事例の詳細は、こちらのページで紹介しています。
顧客満足度を向上させるうえで大切なポイント

最後に、施策を成果へ結びつけるために意識しておきたい2つの視点を補足します。
どのKPIにつながる満足度かを見極める
満足してもらうこと自体をゴールにしてしまうと、施策が成果に結びついているかを判断できなくなります。
その満足度が解約率の低下なのか、口コミの改善なのか、アップセルの増加なのか、自社のどの数値に効くのかを先に定めておくと、取り組みの優先順位がはっきりします。経営課題と紐づいた目的を持つことが、効果の見える施策への第一歩になります。
短期の満足より長期的な関係を重視する
価格を下げる、その場限りの特別対応をするといった手は、短期的には満足度を上げられても、長く続けるのは困難です。
一時の満足を追いかけるのではなく、顧客の声に耳を傾け、従業員が自発的に動ける環境を整え、改善を回し続ける。この積み重ねが、選ばれ続ける関係をつくっていきます。
まとめ

顧客満足度は、事前の期待と実際の体験の差から生まれ、リピートや口コミ、LTVといった事業の成果を左右する指標です。向上させるには、現状を数値で把握したうえで、自己解決の仕組みづくりや迅速な対応、従業員満足度の向上などの施策を、自社の課題に合わせて積み重ねていく流れが基本になります。
なかでも見落とされやすいのが、購入や問い合わせを検討している段階の体験です。サイトを訪れた人が疑問を抱えたまま答えを得られず離れていく場面は、満足度を高める機会を逃しているともいえます。特定のページの閲覧や長い滞在をリアルタイムで捉え、関心の高まった訪問者へその場でチャットや音声通話により人が応えられる有人型のチャットツール「OPTEMO」は、こうした検討段階の疑問をその場で解消し、顧客体験を底上げする選択肢のひとつです。
フォーム入力前の離脱防止に課題を感じている場合は、訪問者の行動をリアルタイムで把握しながら有人で対応できるOPTEMOの活用事例が参考になるかもしれません。OPTEMOの具体的な機能や導入事例については、こちらの資料からご確認いただけます。
OPTEMOの特徴や活用方法をまとめた資料です。
導入検討の初期段階でもご覧いただけます。
導入をご検討の方は、こちらからご連絡ください。担当者がOPTEMOについて詳細にご案内します。
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