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  • インサイドセールス研究会2026年1月例会レポート

公開日
2026.02.05
更新日
2026.02.05

株式会社OPTEMOが運営しているインサイドセールス研究会というコミュニティでは、毎月オフラインイベントを開催しております。1月に開催されたイベントの内容について、より多くの皆さまに知っていただく機会となることを願い、イベントレポートを作成しました。

今回のレポートでは、2026年1月15日(木)に開催されたインサイドセールス研究会の内容をまとめております。ぜひご覧ください。

インサイドセールス研究会について

インサイドセールス研究会は、『会社を超えてインサイドセールス同士がつながり「師と友」を作れる場』として株式会社OPTEMOが運営しているコミュニティです。

インサイドセールスという業務の性質上、社外での横のつながりが少ないという声を受け、2023年3月からこのコミュニティの運営を始めました。毎月特別なゲストを迎えて実践的なノウハウを提供しています。また、Facebookのグループで情報発信もしており、誰でも無料で参加できます。

https://optemo.co.jp/lp/is_ken

今回のテーマ

今回のイベントでは、株式会社LegalOn Technologiesの吉田様をゲストにお迎えしました。「ARR100億達成企業のインサイドセールスが実践したこと 圧倒的成長のリアルな裏側を大公開」というテーマで登壇していただきました。

モデレーターはOPTEMO代表の小池桃太郎(@MomotaroKOIKE)が務めました。

吉田様ご講演

吉田様は株式会社LegalOn Technologiesの執行役員を務めています。インサイドセールス歴は約15年におよび、豊富な経験をお持ちです。

パーソルグループのBPO会社に入社してISのキャリアをスタートさせ、FS・カスタマーサクセス・パートナーセールス・マーケティング・営業企画・営業コンサルティングなど幅広い領域を経験されてきました。ISを軸にキャリアを広げ、現在はセールステックの新規事業立ち上げを担当されています。

当日のイベントでは、以下のトピックについてお話しいただきました。

・6年半でARR100億円を達成したIS組織の全貌
・月間2,000商談を追い求めた“量の時代”
・量から質への戦略転換
・KPI設計と柔軟な目標管理
・ISの“3年の壁”を乗り越えるキャリアパス設計
・AIとの共存と今後の展望

6年半でARR100億円を達成したIS組織の全貌

LegalOn Technologiesは、ファーストプロダクト「LegalForce」のリリースからわずか6年半でARR100億円を達成しました。これは日本国内のSaaS企業としては最速の成長スピードであり、業界内で大きな注目を集めています。

吉田様が入社した時点で、すでにIS組織は正社員で50名規模に達していました。現在は正社員約40名に加え、業務委託のメンバーも含めて必要なリソースを柔軟に確保するチーム体制になっています。

吉田様は急成長の過程について、「『量』『質』『人』を組み合わせて成長の壁を乗り越えてきました」と述べました。

月間2,000商談を追い求めた“量の時代”

ISチームの急成長期では、数を追求する戦略が採用されました。当時のベンチマークとして掲げられた月間商談数は、2,000件という衝撃的な数字でした。

月間2,000商談のベンチマーク

リード全体のうち約5割は過去に商談済のリサイクルリードが占めており、残りの5割程度が新規リードでした。アウトバウンド担当は人数が最も少なく、外部に発注する形を中心に運営されていたとのことです。

吉田様は「目標を達成できた月もあれば、未達成の月もありました。数字を追うことも大事でしたが、『まずは数を取る』という方針を社内全体で共有することが最重要でした」と当時を振り返ります。

FS50名体制が求めた圧倒的な商談供給

LegalOn Technologiesが徹底的に数を追求した背景には、FSの体制がありました。当時のFSは約50名体制で、1日あたりに実施する商談数のノルマが課せられていたのです。

吉田様は「目標達成と並行してFSの稼働を埋めるために、とにかく商談数が必要でした。人数が多ければ商談供給の需要も増大します。当時は『数を取れば成長できる』と信じていた時期でした」と説明されました。

量から質への戦略転換

数の追求だけでは限界が見えてきた段階で、LegalOn Technologiesは受注率向上と商談設定基準の厳格化に舵を切りました。

商談設定基準の段階的な整備

質を追求するにあたり、まず課題となったのが「質の定義」です。最初に設定した質の基準は、契約書の審査件数(月間一定件数以上かどうか)でした。審査件数が少なくても、商談相手が上位の役職者であればよいとされていた時期もあったといいます。

次第に「審査という言葉の定義」「対象になる契約書の定義」が明確になっていきました。例えば、「発注書は契約書のレビュー対象ではない」といった具体的な基準が設定され、ISとFS間での認識の相違が徐々に解消されていったのです。

FSとの連携と基準調整

FS側は高い目標を掲げているため、ただリード数を確保するだけでは受注目標に到達しません。受注率を上げるための商談をどう作るかが、組織全体の課題として浮上しました。

経営からのオーダー、FSからのオーダーは明確でした。費用対効果と受注率を満たしつつ、リード数も確保するというものです。企業規模ごとに組織を分け、さらにその中でも細かくターゲティングを行い、Tierを設定する工夫がなされました。

吉田様は「商談設定基準はFSと議論しながら調整しました。時には意見が食い違う場面も見られ、基準を厳しくするタイミングと緩めるタイミングをコントロールする必要性がありました」と述べています。

組織間のハレーション対応

量と質のバランスを取る過程では、組織間の衝突も発生しました。FSから「数重視の基準で獲得したリードでは、商談しても契約に結びつかない」という反発を生むケースもあったといいます。

吉田様は「ISがFSの求める質の基準に寄せる方向で調整するが、数が足りなくなればIS寄りの基準に戻す。そうするとFSの反発を再度生むこともあります。状況に合わせて基準が変化していましたね」と当時を振り返りました。

最終的には、信頼関係をベースに受注率を上げるという共通目標で合意形成が図られました。量と質のバランスは永遠の課題であり、いずれかに偏らない姿勢が求められます。

KPI設計と柔軟な目標管理

KPI運用の成果は変わります。LegalOn Technologiesでは、ISとFSの双方が納得できる指標設計に注力しました。

最重要KPIは有効商談率

吉田様が最重視したKPIは「有効商談数」でした。商談設定基準をもとに有効商談を定義し、実施しても有効商談にならなければISの成果から除外する厳格な運用がなされています。

マーケティング側も、徐々に有効リードの指標を営業寄りに調整していきました。マーケティングのKPIとしても商談数をサブKPIに設定することで、組織全体の目線を揃える工夫がなされています。

柔軟なKPIの見直しサイクル

KPIの見直しは基本的に四半期ごとに行われますが、目標達成が厳しい場合は月次、場合によっては月中でも変更が可能な体制を取っています。

吉田様は「目標を変更する際は『なぜやるのか』『評価上の影響はどう変わるのか』を丁寧に説明します。メンバーに納得してもらい、同じ方向を向いてもらわなければいけません」と語ります。FSの稼働状況を見ながら、IS側でKPIを柔軟に設定する運用が成果に結びついた側面もあるでしょう。

エンタープライズとSMBのKPI分離の変遷

エンタープライズとSMBでKPIを分けるかどうかについても、試行錯誤した時期がありました。エンタープライズ側でも期待した数字が取れていたため、最初は区別していなかったそうです。

徐々にエンタープライズ側はMRR(月次経常収益)に近い指標を持つようになりました。ただし、MRRはコントロールしにくく評価が難しいという課題もあったといいます。

吉田様は「最終的には組織の実情に合わせた有効商談数に戻りました。有効商談の定義は成長に伴い徐々に厳格化していきましたが、基本的な指標としては有効商談数を重視しています」と説明されました。

ISの“3年の壁”を乗り越えるキャリアパス設計

ISの業務は単調になりがちで、「3年の壁」と呼ばれる課題が存在します。仕事に変化がないと成長を感じられず、メンバーが離職してしまうリスクがあるのです。LegalOn Technologiesでは、多様なキャリアパスの提供という形で対策を講じています。

ISからの多様なキャリアパス提供

IS経験者のキャリアパスは多様で、FS・カスタマーサクセス・企画担当・パートナーセールスといった多方面への異動実績があります。また、マネジメント能力がある人は管理職に登用したりPMやサブPMの業務を経験させたりすることで、業務改善の意識を持たせる工夫もなされています。

吉田様ご自身が「ISから縦横斜めにキャリアを広げてきた」経験を持つだけに、この点には特に力を入れているようです。

WillとCanのマネジメント

キャリア面談は3ヶ月サイクルで、ほぼ全員を対象に実施されています。面談では、本人の意志(Will)と能力(Can)のズレを正面から伝えているとのことでした。

吉田様は「適切な役割を与えて経験させ、メンバーが出した結果をもとに対話することが大切です。挙手制と指名制を使い分けながら、自らの意思でプロジェクトへのアサインを希望する人には密にフォローしています」と人材の育成方針を語りました。

組織の入れ替わりへの対応

IS組織はメンバーの入れ替わりが多く、離職や異動によって頻繁に人の出入りがあります。以前は人材育成やケアが難しかったものの、マネージャー陣が育つにつれてチーム全体の質が安定してきたといいます。

「今の形になるまで1年半から2年かかりました。属人性を排除して、マネジメント担当者が変わっても一定の成果が出る状態を目指しています」と、吉田様は総括しました。

AIとの共存と今後の展望

ISの業務プロセスにおいても、AIの活用は進んでいます。LegalOn TechnologiesではAIを積極的に取り入れながら、人とAIの最適な組み合わせを模索してきました。

業務プロセスへのAI導入

ISの細かい事務処理に関しては、AIによる代替が進んでいます。マーケティングのリード獲得も機械学習で精度向上が図られ、ナーチャリングの質を上げる取り組みが行われています。

吉田様は「AIを使いこなせる人とそうでない人がいる中で、評価軸にAIの活用度合いを採り入れる方針を検討しています。2025年度末までに実施される予定です」と、AI活用を組織として推進していく姿勢を示しました。

目指す組織の姿

LegalOn Technologiesが目指すのは、人がいなくても安定した営業成果を出せる、もしくは伸ばせる組織です。プレイヤー的な人、マネージャー的な人、企画者的な人のバランスを融合させることが理想だといいます。

吉田様は「それぞれの要素の人になり得る人材には、早期にポジションを付与しています。人とAIの最適な組み合わせによって、これまで以上に成果を出せる組織を作ることが目標です」と展望を語りました。

質疑応答

講演後の質疑応答では、参加者から実践的な質問が多数寄せられました。

Q1. 50人規模の組織体制について

【参加者からの質問】

50人規模の組織の場合、マネージャーの配下にいるのは何名くらいでしょうか?

【吉田様の回答】

課長職相当のマネージャー1人につき10人前後です。組織は4つ程度で約50人を管理しています。その下のユニットリーダーは基本プレイングで、2〜4人程度を担当します。案件を細かく見る場合は2人が限界ですね。

Q2. 架電の質と事前準備について

【参加者からの質問】

商談獲得数の目標を2,000件に設定していた当時についてお伺いします。架電の質の担保や事前準備は、どの程度行っていたのでしょうか。

【吉田様の回答】

数に振り切っていた時期は、そこまで架電前の準備ができていませんでした。質の担保も同様です。人力頼りだったため、できる人は調べてリスト整備をして、そうでない人は出来ていなかったと思います。現在はやり方が平準化され、AIで事前にシナリオを調べる仕組みを導入しています。事前のトレーニングも日頃の業務に組み込むよう工夫しました。

Q3. AIによるインサイドセールスへの影響について

【参加者からの質問】

他社の決算でAI架電の成果が報告されました。受付突破率は人力の半分、アポ獲得率は3分の1とのことですが、人間の6分の1のアポ率でもアポが取れています。将来的に架電担当者は不要になるのでしょうか?またISが身につけるべきスキルは何でしょうか?

【吉田様の回答】

ご指摘いただいた懸念は、確かにあると思います。単純な作業や物量をこなすことに関してはAIが得意とする分野なので、単一スキルしかない人は価値が下がる可能性があります。

生き残るには、顧客やドメインの理解を深め、AI以上の価値を出す存在になるしかありません。ドメインエキスパートやアカウントエグゼクティブ的な存在へ進化することが重要です。

AIと自分を組み合わせて、例えば今までより3倍成果を出すという発想も大切でしょう。人にしかできないこととAIの組み合わせで、生産性を高めるモデリングが必須だと考えています。

交流会の様子

講演終了後の交流会では、ARR100億円を達成した急成長企業のリアルな実践内容に関心が集中しました。名刺交換の際には、月間2,000商談という衝撃的な数字や、量から質への転換プロセスに関する詳細な質問が飛び交っていました。

中でも有効商談率を軸としたKPI設計、FSとの連携における基準調整の方法、そして3年の壁を乗り越えるためのキャリアパス設計などの話題で持ち切りでした。また、AI時代におけるISの役割についての質疑応答では参加者から吉田様へキャリアに対する問いかけがあり、活発な意見交換が行われました。

インサイドセールス研究会の交流会では、毎回「新しい体験を提供する」というテーマのもと、参加者に特典としてちょっとした品物やサービスをプレゼントしています。

今回は参加者へのお土産として、東北大学との共同研究によるバイオテックを活用した「CHOOZE COFFEE(チューズコーヒー)」をご用意しました。カフェイン量を100%・50%・0%から選べるコーヒーで、「デカフェなのにしっかりとした味わいで驚いた」「午後の遅い時間でも安心して飲める」など、皆さまから好評でした。

最後に

今回のインサイドセールス研究会では、ARR100億円を達成したLegalOn Technologiesのインサイドセールス組織が実践してきた取り組みについて、詳細にお話しいただきました。

注目すべきポイントは、月間2,000商談という圧倒的な「量」の追求から、有効商談率を軸とした「質」への転換というダイナミックな戦略変更のプロセスです。3年の壁を乗り越えるためのキャリアパス設計やAI時代を見据えた組織づくりの方針は、多くの参加者にとって実践的なヒントとなったことでしょう。

本イベントの内容が、ご参加いただいた皆さまの今後のインサイドセールス活動に少しでもお役に立てば幸いです。

次回のインサイドセールス研究会は、2026年2月6日(木)19:00〜21:00にYOUTRUSTオフィスにて「インサイドセールス新年会」として開催いたします。

▼参加申し込みはこちらから
https://optemo.co.jp/lp/is_ken/20260206/?utm_seminar=optemo_isken

次回のインサイドセールス研究会で、多くの参加者とお会いできることを楽しみにしております。

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執筆者 OPTEMO編集部

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