CVR(コンバージョン率)の平均値はどれくらい?業界別の目安と、成果につなげる考え方を整理
「自社サイトのCVRは低いのか、それとも妥当なのか」。CVR(コンバージョン率)は改善活動の起点になる一方で、平均値だけを見て判断すると、打ち手を誤りやすい指標でもあります。
なぜならCVRは、業界だけでなく「CVの定義」「流入経路」「検討期間」「単価」「ページ構造」など、前提条件で大きく揺れるからです。
本記事では、CVRの基本を整理したうえで、平均値の捉え方、CVRが伸びない典型パターン、改善施策の役割分担、そしてフォーム入力直前で立ち止まるユーザーへの考え方までを、実務目線でまとめます。
目次
CVR(コンバージョン率)とは?基本を整理

Webサイトの成果を考えるうえで、まず押さえておきたいのが「CVR(コンバージョン率)」という指標です。
CVRは、アクセス数や表示回数のような量ではなく、訪問したユーザーが実際に行動を起こした割合を見るための指標であり、Web施策がどれだけ成果につながっているかを判断する基準になります。
CVRの意味と計算方法
CVR(Conversion Rate/コンバージョン率)とは、Webサイトに訪れたユーザーのうち、どれくらいの人が「成果」となる行動を取ったかを示す指標です。
ここでいう「成果(コンバージョン)」は、サイトの目的によって異なります。
たとえば次のような行動が、CVとして設定されるケースが一般的です。
- 問い合わせフォームの送信
- 資料請求・ホワイトペーパーのダウンロード
- セミナーやデモの申し込み
- ECサイトでの商品購入
つまりCVRは、「集めたアクセスが、どれだけ目的達成につながっているか」を可視化する数値だといえます。
計算方法はシンプルです。
CVR(%)= コンバージョン数 ÷ セッション数(または訪問数) × 100
たとえば、1か月で 10,000セッション のアクセスがあり、そのうち50件の問い合わせが発生した場合、
- 50 ÷ 10,000 × 100 = 0.5%
この場合、CVRは 0.5% となります。
数値としては小さく見えますが、BtoBサイトでは珍しい数字ではありません。むしろ、商材の単価が高く、検討期間が長いほどCVRは低く出やすい点も、あらかじめ理解しておくことが重要です。
CVRが重要指標として使われる理由
CVRが重要視される理由は、「集客が本当に成果につながっているか」を一目で判断できる指標だからです。
たとえば、広告やSEO施策によってアクセス数が増えていても、
- 問い合わせが増えていない
- 資料請求につながっていない
という状態であれば、ビジネス成果は伸びません。このようなとき、CVRを見ることで「問題は集客量なのか、それともサイト内の設計なのか」を切り分けられます。
また、CVRが改善すると、次のような効果が期待できます。
- 同じ広告費・同じアクセス数でも、獲得リード数が増える
- CPA(1件あたりの獲得コスト)を抑えられる
- 営業につなげられる母数が増える
つまりCVRは、流入施策(広告・SEO)と、その先の成果(リード獲得・商談)をつなぐ要となる指標です。
「アクセスはあるのに成果が出ない」と感じたとき、まず確認すべき数値がCVRである理由は、ここにあります。
CVRの平均値はどのくらいが目安?

CVRの改善に取り組む際、多くの担当者が気にするのが「平均と比べて自社は高いのか、低いのか」という点です。確かに、業界やサイト種別ごとの平均値を知ることは、自社の立ち位置を把握するうえで一定の参考になります。
ただし、CVRは前提条件によって大きく変動する指標であるため、平均値は目標ではなく目安として捉えることが重要です。
一般的に語られるCVR平均の考え方
一般論として語られるCVRの平均値は、業界全体や多数のWebサイトを対象に集計されたデータをもとに算出されています。そのため、
- どの行動をコンバージョンとしているか
- 商材の単価や検討期間
- BtoCかBtoBか
- デバイスや流入経路
といった条件の違いは、すべて平均化された状態です。
このような平均値は、「極端に低すぎないか」「業界水準から大きく外れていないか」を確認するためには有効ですが、そのまま自社サイトの目標値として設定してしまうと、現実と乖離した判断につながる恐れがあります。
特にBtoBサイトでは、「問い合わせ」「資料請求」「デモ申込」など、CVのハードルが高くなりやすいため、ECサイトなどと同じ基準で比較すること自体が適切でないケースも少なくありません。
BtoBサイトにおけるCVRの傾向
BtoBサイトのCVRは、一般的にBtoCサイトと比べて低めの数値になりやすい傾向があります。これは、商品やサービスの検討にあたって、
- 情報収集から意思決定までの期間が長い
- 複数人(上司・決裁者)が関与する
- 金額や契約条件の確認が必要
といった要素が影響するためです。
また、BtoBサイトではコンバージョンの種類によってもCVRの水準が大きく異なります。たとえば、比較的ハードルの低い「ホワイトペーパーのダウンロード」と、心理的負担の大きい「問い合わせ」では、同じサイト内でもCVRに差が出るのが一般的です。
そのため、BtoBにおいてCVRを見る際は、「業界平均と比べて高いか低いか」だけで判断するのではなく、自社が設定しているCVポイントと検討フェーズに合った水準かどうかを基準に考える必要があります。
CVRの平均をそのまま目標にするのが危険な理由

CVRの業界平均を知ると、「まずはこの数値を目指そう」と考えがちです。しかし、平均値をそのまま自社の目標に設定してしまうのは、あまりおすすめできません。
なぜならCVRは、サイトや商材の前提条件によって大きく左右される指標であり、単純な数値比較だけでは適切な判断ができないからです。
商材や検討期間によって前提が異なる
CVRに大きな影響を与える要素のひとつが、商材の特性と検討期間です。
たとえば、
- 価格が低く、その場で判断しやすい商材
- 申し込みまでの手続きが簡単なサービス
こうしたケースでは、CVRは比較的高く出やすくなります。
一方で、
- 単価が高い
- 導入に社内調整や稟議が必要
- 比較検討に時間がかかる
といったBtoB商材の場合、ユーザーは慎重に情報収集を行うため、CVRは低くなりやすい傾向があります。
このように、検討にかかる時間や意思決定プロセスの複雑さが違えば、目安となるCVRも当然変わるため、業界平均をそのまま当てはめることは現実的ではありません。
CVポイントの違いが数値に与える影響
もうひとつ見落とされやすいのが、「何をコンバージョンとして設定しているか」という点です。
同じサイトでも、
- メールマガジン登録
- ホワイトペーパーのダウンロード
- 問い合わせ
- デモ・商談申し込み
といったCVポイントごとに、ユーザーが感じる心理的ハードルは大きく異なります。
当然ながら、行動のハードルが低いCVポイントほどCVRは高くなり、逆に「問い合わせ」や「商談依頼」のように、営業接触を前提としたCVポイントでは、CVRは低くなりやすくなります。
そのため、CVRの数値を評価する際には、「このCVRは、どの行動をゴールにした数字なのか」を必ず確認する必要があります。
平均値だけを見て「自社は低い」「改善が足りない」と判断してしまうと、本来は妥当な水準であるにもかかわらず、過剰な施策に走ってしまうケースも少なくありません。
CVRを目標として活用する際は、自社の商材特性・検討期間・CVポイントを踏まえたうえで、意味のある基準を設定することが重要です。
CVRが平均より低くなる理由

CVRが業界平均を下回っている場合、「施策が足りない」「改善が不十分」と考えがちですが、実際にはユーザーの検討プロセスとサイト設計が噛み合っていないことが原因になっているケースが多く見られます。
ここでは、CVRが伸び悩みやすい代表的な理由を整理します。
流入ユーザーと訴求内容が合っていない
まず確認したいのが、サイトに訪れているユーザーと、ページで伝えている内容が一致しているかという点です。
たとえば、
- 情報収集目的で訪れているユーザーに、いきなり申込みを促している
- 課題がまだ明確でない層に、機能や価格の話だけをしている
このような状態では、アクセス数があってもコンバージョンにはつながりにくくなります。
広告文・検索キーワード・流入元の意図と、ランディング先の訴求内容にズレがあると、ユーザーは「求めていた情報と違う」と感じ、早い段階で離脱してしまいます。
CVRが低い場合は、ページの改善だけでなく、どのような意図を持ったユーザーが流入しているのかをあらためて見直すことが重要です。
情報量・ページ構成が検討フェーズとズレている
CVRは、情報が「少なすぎても」「多すぎても」下がりやすく、情報設計のズレがそのまま数値に表れやすい指標です。重要なのは、ユーザーの検討段階に対して、ページが「今ほしい情報」を過不足なく渡せているかという点です。
たとえば、まだ課題整理の途中にいるユーザーに対して、専門用語が多い機能説明や比較表、価格の話が前に出すぎていると、理解が追いつかず離脱につながりやすくなります。
一方で、比較・検討を進めたいユーザーに対して、抽象的なコンセプト説明に偏っていたり、メリットが曖昧だったりすると、判断材料が揃わず行動に移れません。加えて「導入後のイメージが湧かない」「自社に当てはめたときの姿が見えない」といった迷いは、検討初期から比較段階まで幅広く起こり得ます。
CVRが伸びないときは、「このページは、どの段階のユーザーに何を判断してもらうための設計なのか」という前提が、情報の出し方と一致しているかを確認することが重要です。
問い合わせ・フォームが心理的なハードルになっている
BtoBサイトでは特に、フォーム入力そのものが大きな心理的ハードルになりやすい傾向があります。
- 営業されそうで不安
- まだ社内で整理できていない
- 今問い合わせるべきか判断がつかない
こうした迷いがある状態では、フォームの入力項目が少なくても、送信には至らず、CVR上は「離脱」として表れてしまいます。
つまり、CVRが低い原因は、「フォームが使いにくい」だけでなく、フォームに進む理由がユーザーの中で整理できていないことにある場合も多いのです。
このようなケースでは、入力項目の最適化(EFO)だけでは改善しきれず、問い合わせ前の不安や疑問をどう解消するか、という視点が必要になります。
CVR改善でよく行われる施策とその役割

CVRを改善するための施策は数多くありますが、重要なのはそれぞれの施策が担う役割を正しく理解することです。
単一の施策だけでCVRが劇的に改善するケースは少なく、多くの場合は複数の打ち手を組み合わせながら調整していきます。
LPOによる訴求・構成の最適化
LPO(ランディングページ最適化)は、ページの構成や訴求内容を見直し、ユーザーの理解と納得を高める施策です。
具体的には、
- ファーストビューで何を伝えるか
- 課題提起と解決策の順番
- 導入事例や実績の見せ方
- CTAの位置や文言
などを調整することで、「このサービスは自分に関係がある」と感じてもらいやすくします。
流入ユーザーとページ内容のズレが原因でCVRが低い場合、LPOは非常に有効な改善手段になります。一方で、情報を整理しても、判断に迷うユーザーが一定数残る点は意識しておく必要があります。
EFOによるフォーム入力の負担軽減
EFO(エントリーフォーム最適化)は、フォーム到達後の離脱を防ぐための施策です。
- 入力項目数を減らす
- 必須・任意を分かりやすくする
- エラー表示を改善する
といった工夫により、入力途中でのストレスを軽減します。
フォーム入力の煩雑さが原因で離脱している場合、EFOはCVR改善に直結しやすい施策です。
ただし、EFOはあくまで「入力しようと決めた人」を後押しするための施策であり、フォーム入力前に迷っているユーザーの背中を押す役割までは担えません。
導線やCTAの見直し
CVRが伸びない原因として意外に多いのが、ユーザーが「次に何をすればいいかわからない」状態です。
- CTAがページの最後にしかない
- 文言が抽象的で行動がイメージできない
- 複数の選択肢が並び、迷ってしまう
こうした状態では、ページ内容に納得していても、行動に移るきっかけを失ってしまいます。
導線やCTAの改善は、ユーザーの理解度や検討段階に応じて、「今取るべき行動」を明確に示すための施策だといえます。
CVR改善に利用されるツールについては、下記の記事でも詳しく紹介しています。
数値改善だけでは解決しにくい検討中の停滞

LPOやEFO、CTAの見直しなど、CVR改善施策を一通り実施しても、思うように成果が伸びないケースは少なくありません。
その背景には、数値だけを見ていると見えにくい「検討中の停滞」が存在します。
フォーム入力直前で立ち止まるユーザーの存在
多くのBtoBサイトでは、フォームに到達した=すぐに入力される、とは限りません。
- ページを行き来しながら内容を再確認している
- 料金や導入条件を読み返している
- 社内説明を想定して情報を整理している
こうした行動を取るユーザーは、すでに一定の関心を持っている一方で、最後の判断材料が足りず、入力に踏み切れていない状態にあります。
この段階では、フォームをさらに簡略化しても、CTAの文言を変えても、行動が大きく変わらないことも珍しくありません。
情報は足りているが、判断できない状態
検討が停滞しているユーザーの多くは、「情報が不足している」というよりも、「自分のケースに当てはめたときの判断ができない」状態にあります。
たとえば、
- 自社の場合、どこまで対応してもらえるのか
- 想定している課題は解決できるのか
- 問い合わせ後に、どんなやり取りが発生するのか
といった点が整理できず、入力することで発生する負担やリスクを測りかねているのです。
この段階のユーザーは、数値上は「離脱」として扱われますが、実態としては迷って止まっているだけというケースも多く含まれています。
そして実際、Webサイトを訪れたユーザーの約99%はコンバージョンに至らず離脱しているとも言われています。
重要なのは、その99%すべてが「興味のないユーザー」ではないという点です。なかには、フォーム直前まで到達しながら、「最後の不安が解消できない」「自分のケースで判断しきれない」といった理由で、行動を止めているユーザーも多く含まれています。
こうした検討中で立ち止まっているユーザーにどう向き合うかは、LPOやEFOだけではカバーしきれない領域であり、CVR改善を考えるうえで重要な視点の一つです。
実際に、サイトから離脱してしまう99%のユーザーに対して、どのようにアプローチし、CVR改善につなげていくのかについては、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:サイトから離脱する99%にアプローチして、CVRを改善する方法
CVR改善は施策単体ではなく組み合わせで考える

CVR改善を進めるうえで重要なのは、LPO、EFO、導線設計といった施策を分断して捉えないことです。
流入・訴求・入力体験を分断しない視点
CVRは、「流入してからフォームを送信するまで」の一連の体験の結果として生まれる数値です。
- 誰が、どんな期待を持って流入したのか
- ページ内で、どんな理解・納得が進んだのか
- 行動を起こす直前に、どんな不安が残っているのか
これらが噛み合っていなければ、個別施策を積み重ねても、改善は限定的になります。
特にBtoBでは、検討期間が長く、判断に関わる要素も多いため、入力直前の心理状態に目を向けることが欠かせません。
CVRとリードの質・商談化率の関係
CVRだけを追いかけすぎると、「とにかく数を増やす」方向に寄りやすくなります。
しかし、入力ハードルを下げすぎることで、
- 商談につながらない問い合わせが増える
- ISの対応工数が増える
- 結果的に受注効率が下がる
といった問題が起きることもあります。
本来、CVRはリードの質や商談化率とセットで捉える指標です。入力前の不安や疑問を適切に解消できていれば、数だけでなく「その後につながるCV」を増やすことができます。
まとめ:CVRの平均を知った上で、自社に合った改善を

CVRの業界平均は、自社の数値を相対的に捉えるための参考指標です。
重要なのは、平均値そのものを追いかけることではなく、自社の商材や検討プロセスに照らして「どこで滞っているのか」を見極めることにあります。
LPOやEFOといった定番の改善施策は、CVR向上に欠かせない要素です。一方で、情報は十分に揃っているにもかかわらず、フォーム入力直前で判断に迷っているユーザーが一定数存在するケースも少なくありません。
そうした検討段階のユーザーに対しては、入力項目の削減や導線調整だけでなく、不安や疑問をその場で解消できる接点を設けることも、CVR改善の一つの考え方になります。
以下の資料では、こうした検討フェーズにおける課題に対して、有人型のWeb接客ツール「OPTEMO」がどのように活用されているのかを、具体的な機能や活用事例とあわせて紹介しています。
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